裏山が大変?
オープンガーデンが無事終了し、そのあと寒さが戻ったり初夏の陽射しがやって来たり~行きつ戻りつのこの頃です。
あいにくオープンガーデンにはふさわしくない悪天候の一週間でしたが、遠くからお出かけいただいた方もあり、去年よりは開花も進んでいてお見えになった方にはゆっくりご覧いただけたのではと思います。
そのあと、庭の様子もご紹介しつつ、春の陽気もお伝えしたいと考えておりましたが、今年はそんな初夏の陽射しに焼かれてスイセンは開花と同時に花びらがちりちりに~ビオラたちもどんどん咲いてしまって、早く交配・種採りをしないと株が保たない~~~というわけで作業に追われておりました。
とくに4月になってからは雨が10日近く降らず、砂漠?の風を感じる始末・・・そうこうするうちに今年始めごろから兆しが見えていたとんでもない事態が、裏山に起こったのです。
1月ごろから測量が入って、境界線の確認を求められたので何かまたはじまるのかな、と思ってはいました。しかし、測量会社の方に聞いてもはっきりせず、いずれ地主さんがみえるだろうからとのことでした。
しかしその後先方からは一切連絡もなく、4月初旬になっていきなり町内の集会所で説明会をするという連絡が、町内会を通じてありました。。
4月10日、説明会・・・時間は1時間で、設計会社が窓口、事業主など関係出席者の紹介と事業についての簡単な説明のあと、工事を6月初旬に始めるとのことでその説明に入り、最後に質疑応答が少し。渡された資料は表紙に出席者と概要(介護付有料老人施設らしい)、簡単な平面図の全体と部分が2枚、そしてあと一枚は全部が工事に関するお願いでした。
事業計画の中身も、設計の中身もほとんど説明がないのにです。なにせ1時間という短時間です。質疑応答の時間がありましたが、ご近所の方から日照や工事騒音についての質問があり、わたしもとりあえず不明な点をいろいろ聞いてみたのですが・・・要領を得ず・・・後日各戸訪問ということになってしまいました。
じつはこの計画は15年くらい前に一度あったのですが、そのときの計画は裏山全体に渡り、市の条例で地域関係者に同意書を求めるという決まりがあったために、確か1年近く説明や交渉を繰り返し、最後に先方のトラブルで計画破綻となったものでした。
今回、計画は継続だが、工事をいくつかに分けて行い、今回はメインの建物だけになるとのこと。(15年前とは事業主その他変わっている)地下1階、地上5階ですが、実際はその手前にある家から1メートルほど上がったところに地下が立ち上がるので、下側の家から見れば6階建て以上の建物です。そして、入り口の道路は沢ガニやあの幻のゲンジボタル(去年は確認できませんでした)が暮らす沢をつぶして作るらしい。そしてこの沢の道路側には「土石流危険流域」の看板が立っています。
わたしの住む静岡県熱海市は、海岸線にある(今となってはあったというべきか・・・海岸線の旅館街はほとんど全てが代替わり、マンション化、途中停止状態)旅館街をご存じの方は多いと思いますが、周りを山に囲まれた斜面ばかりの町で、いくつかの沢にそって家々があるので、平らな場所はむしろ少ないと言えます。
箱根につながる山々は緑が濃く、伊東寄りの地域にはかつてたくさんのみかん畑がありました。わたしの住んでいるところも、以前は畑や酪農をしているお家があったのですが、今はほとんどが住宅に変わっています。そのように住む人は増えたのですが、逆に山に入る人手はどんどん減っています。
以前に植林された林、雑木林、それを手入れしていた人たちが高齢になったり、材木の価値が下がって放置されたり・・・だから山は荒れています。林床に表土はなく倒れた木はそのまま、下草は茂り放題で、イノシシも食べるものが無くて人里に出て来るのです。そして、そんな山は保水力がないので大雨が降ると大変危険です。
今回の建設計画、そのほとんどが市発行のハザードマップによれば「急傾斜地崩壊危険箇所」です。
そして、「土石流危険渓流」。なにより、計画の進め方があまりにも横暴と感じました。6月に工事が始まれば、毎年ここで巣作りしてひなを育てる鳥たち、いきものたちもすみかを追われるかたちになります。そして同じく、反対側の山との通路になっていたわが庭も、南東をL字型にふさがれて、大きく環境を変えるでしょう。
もっともそんな裏山も以前に比べるとかなり荒れていて本当はすぐにでも手入れが必要なのです。15年前の出来事以来所有者も定かではなく(実際に東京都の差し押さえを含め幾度か持ち主が替わっている)、当然放置の状態で近所の人たちが自主的に必要最低限の手を入れていた程度です。
以前は炭焼きのおじさんが定期的に木を切り、人の手が入っていたので林の中はずっときれいでした。いつか炭焼きはなくなり、林は忘れられ、うち捨てられる・・・ならまだいいです。これを投機の対象にするなんて・・・
このまま黙って見ていることしかできないのだろうか?いままで、植物やいきものに関わってきて学んだたくさんのこと、自然環境と人の暮らしが融合するこのような場所こそ維持してゆくべき今なのに?それをずっと考えてきたわたしが黙って見ているなんて、とても出来ません。といってもなにが出来るのかもわからないのですが。
とりあえず、わからないことがたくさんあるので調べることから始めました。
そして、調べれば調べるほど、疑問点がたくさん出てきました。
経済的環境が非常に厳しい昨今、開発そのものを経済効果と見る傾向があること、これはとても一過性のもので、地域の問題は実際には長期で考えないと意味のないことだと思うのですが、特にこれから増えるいっぽうの「老人介護」に関わるものは、場合によっては規制が緩和されたり、国の援助があったり、有望な市場とみられていること。
一方で簡単に始めたそのような施設が破綻したり、施設そのものが不正をしたり、雇用のことでも実際には条件が厳しくて人材が集まらず十分な介護が出来ないとか、はては異業種が参入して投機の対象にもなっているらしいのです。
中にはあるだけのお金を使ってそのような施設に入ったのに、経営者が替わって約束の介護を受けられなかったり、そこにいられなくなったり、つい先日は火事もありました。なんだか悲しいですね、老後の生活まで利益の対象にされてしまうなんて。この国の、今の姿が見えたような気がしました。利益追求至上社会の中で、個人の権利は法律によっても守られてはいないのです。違う生き方もあるかな、と思って実践してきたつもりだったのに、裏山ひとつ守れない自分がふがいないです。
それでも、出来ることはしないと生きてる意味がない!じゃないですか。
止めることは出来なくても、変だと思ったことは追求してゆきたいです。いきなり、個人的なことにかかわる暗~い話になっちゃってごめんなさい。でもこれは、わたしにとっても裏山のいきものにとっても、そしてじつはひととしての私たちみんなにも関係するとても大事な問題で、たぶんわたしにとっては人生の中でかなり大きな試練だろうと思います。
もしかしたら、人類を含めた今地球に生きているいきものたちとこれから先の地球のありようにもどこかでつながっているのかもしれません。あ~ぁ 裏山がきれいに整備されて、お年寄りもこどもたちも、いきものたちも、みんなが気持ちよく暮らせる方法はないものでしょうか・・・
日本中どこも(もしかして世界中?)、きっと同じようなことになってるんだろうなぁ。
あいにくオープンガーデンにはふさわしくない悪天候の一週間でしたが、遠くからお出かけいただいた方もあり、去年よりは開花も進んでいてお見えになった方にはゆっくりご覧いただけたのではと思います。
そのあと、庭の様子もご紹介しつつ、春の陽気もお伝えしたいと考えておりましたが、今年はそんな初夏の陽射しに焼かれてスイセンは開花と同時に花びらがちりちりに~ビオラたちもどんどん咲いてしまって、早く交配・種採りをしないと株が保たない~~~というわけで作業に追われておりました。
とくに4月になってからは雨が10日近く降らず、砂漠?の風を感じる始末・・・そうこうするうちに今年始めごろから兆しが見えていたとんでもない事態が、裏山に起こったのです。
1月ごろから測量が入って、境界線の確認を求められたので何かまたはじまるのかな、と思ってはいました。しかし、測量会社の方に聞いてもはっきりせず、いずれ地主さんがみえるだろうからとのことでした。
しかしその後先方からは一切連絡もなく、4月初旬になっていきなり町内の集会所で説明会をするという連絡が、町内会を通じてありました。。
4月10日、説明会・・・時間は1時間で、設計会社が窓口、事業主など関係出席者の紹介と事業についての簡単な説明のあと、工事を6月初旬に始めるとのことでその説明に入り、最後に質疑応答が少し。渡された資料は表紙に出席者と概要(介護付有料老人施設らしい)、簡単な平面図の全体と部分が2枚、そしてあと一枚は全部が工事に関するお願いでした。
事業計画の中身も、設計の中身もほとんど説明がないのにです。なにせ1時間という短時間です。質疑応答の時間がありましたが、ご近所の方から日照や工事騒音についての質問があり、わたしもとりあえず不明な点をいろいろ聞いてみたのですが・・・要領を得ず・・・後日各戸訪問ということになってしまいました。
じつはこの計画は15年くらい前に一度あったのですが、そのときの計画は裏山全体に渡り、市の条例で地域関係者に同意書を求めるという決まりがあったために、確か1年近く説明や交渉を繰り返し、最後に先方のトラブルで計画破綻となったものでした。
今回、計画は継続だが、工事をいくつかに分けて行い、今回はメインの建物だけになるとのこと。(15年前とは事業主その他変わっている)地下1階、地上5階ですが、実際はその手前にある家から1メートルほど上がったところに地下が立ち上がるので、下側の家から見れば6階建て以上の建物です。そして、入り口の道路は沢ガニやあの幻のゲンジボタル(去年は確認できませんでした)が暮らす沢をつぶして作るらしい。そしてこの沢の道路側には「土石流危険流域」の看板が立っています。
わたしの住む静岡県熱海市は、海岸線にある(今となってはあったというべきか・・・海岸線の旅館街はほとんど全てが代替わり、マンション化、途中停止状態)旅館街をご存じの方は多いと思いますが、周りを山に囲まれた斜面ばかりの町で、いくつかの沢にそって家々があるので、平らな場所はむしろ少ないと言えます。
箱根につながる山々は緑が濃く、伊東寄りの地域にはかつてたくさんのみかん畑がありました。わたしの住んでいるところも、以前は畑や酪農をしているお家があったのですが、今はほとんどが住宅に変わっています。そのように住む人は増えたのですが、逆に山に入る人手はどんどん減っています。
以前に植林された林、雑木林、それを手入れしていた人たちが高齢になったり、材木の価値が下がって放置されたり・・・だから山は荒れています。林床に表土はなく倒れた木はそのまま、下草は茂り放題で、イノシシも食べるものが無くて人里に出て来るのです。そして、そんな山は保水力がないので大雨が降ると大変危険です。
今回の建設計画、そのほとんどが市発行のハザードマップによれば「急傾斜地崩壊危険箇所」です。
そして、「土石流危険渓流」。なにより、計画の進め方があまりにも横暴と感じました。6月に工事が始まれば、毎年ここで巣作りしてひなを育てる鳥たち、いきものたちもすみかを追われるかたちになります。そして同じく、反対側の山との通路になっていたわが庭も、南東をL字型にふさがれて、大きく環境を変えるでしょう。
もっともそんな裏山も以前に比べるとかなり荒れていて本当はすぐにでも手入れが必要なのです。15年前の出来事以来所有者も定かではなく(実際に東京都の差し押さえを含め幾度か持ち主が替わっている)、当然放置の状態で近所の人たちが自主的に必要最低限の手を入れていた程度です。
以前は炭焼きのおじさんが定期的に木を切り、人の手が入っていたので林の中はずっときれいでした。いつか炭焼きはなくなり、林は忘れられ、うち捨てられる・・・ならまだいいです。これを投機の対象にするなんて・・・
このまま黙って見ていることしかできないのだろうか?いままで、植物やいきものに関わってきて学んだたくさんのこと、自然環境と人の暮らしが融合するこのような場所こそ維持してゆくべき今なのに?それをずっと考えてきたわたしが黙って見ているなんて、とても出来ません。といってもなにが出来るのかもわからないのですが。
とりあえず、わからないことがたくさんあるので調べることから始めました。
そして、調べれば調べるほど、疑問点がたくさん出てきました。
経済的環境が非常に厳しい昨今、開発そのものを経済効果と見る傾向があること、これはとても一過性のもので、地域の問題は実際には長期で考えないと意味のないことだと思うのですが、特にこれから増えるいっぽうの「老人介護」に関わるものは、場合によっては規制が緩和されたり、国の援助があったり、有望な市場とみられていること。
一方で簡単に始めたそのような施設が破綻したり、施設そのものが不正をしたり、雇用のことでも実際には条件が厳しくて人材が集まらず十分な介護が出来ないとか、はては異業種が参入して投機の対象にもなっているらしいのです。
中にはあるだけのお金を使ってそのような施設に入ったのに、経営者が替わって約束の介護を受けられなかったり、そこにいられなくなったり、つい先日は火事もありました。なんだか悲しいですね、老後の生活まで利益の対象にされてしまうなんて。この国の、今の姿が見えたような気がしました。利益追求至上社会の中で、個人の権利は法律によっても守られてはいないのです。違う生き方もあるかな、と思って実践してきたつもりだったのに、裏山ひとつ守れない自分がふがいないです。
それでも、出来ることはしないと生きてる意味がない!じゃないですか。
止めることは出来なくても、変だと思ったことは追求してゆきたいです。いきなり、個人的なことにかかわる暗~い話になっちゃってごめんなさい。でもこれは、わたしにとっても裏山のいきものにとっても、そしてじつはひととしての私たちみんなにも関係するとても大事な問題で、たぶんわたしにとっては人生の中でかなり大きな試練だろうと思います。
もしかしたら、人類を含めた今地球に生きているいきものたちとこれから先の地球のありようにもどこかでつながっているのかもしれません。あ~ぁ 裏山がきれいに整備されて、お年寄りもこどもたちも、いきものたちも、みんなが気持ちよく暮らせる方法はないものでしょうか・・・
日本中どこも(もしかして世界中?)、きっと同じようなことになってるんだろうなぁ。
落合さん こんにちは…
返信削除伊東温泉高校剣道部主将の玉屋ちゃんで~す。
柔道部の主将とは…ふたりあわせて…
ちあきなおみ で~す。
ふむふむ…と、山林開発の記事を拝見しました。
私も、小学生の子供達に「山は緑のダム」の話をすることがあるので…危機感を持たれていることや、憤りを感じておられることも少しは理解できます。
熱海のような首都圏から近い、猫の額のような狭い地域に、写真のような環境がまだ存在していることの方が、驚きでした。
里山…といっても、里は無く、熱海は山か海ですからね。
話は変わりますが、市民が飼えなくなったウサギが2わ。昨日から私の家にいます。
ペットショップで買い求めたものの、人間のエゴで捨てられ、生まれつき体に障害のある私の友人が、鶏卵を売ってわずか一週間に7500円の売り上げだけというのに、引き取って、鴨アヒルやら何とか鶏やら、昔で言えば「縁日で買ったオスのニワトリ」みたいのが、全部、彼の元に送られてきます。
そして、終の棲家として面倒をみています。
誰かが幸せ 誰かにしわ寄せ …困りますね。
今度、この「二人のみなしごウサギちゃん」を見に来てもらえませんか?
名前はクロとクッキーとつけました。
運動場用の柵を作って遊ばせていますが…
今日は、なんと猫に襲われた!みたいです。
玉屋さん、コメントありがとうございます。
返信削除裏山の開発については難しい局面ですが・・・
いずれにしても人はいきものとしてもう少し謙虚に、ほかのいきものや自然環境に対して、また、他の自分より弱い立場の人たちにも、礼をもって接するべきと思います。
自分には関係ないと思っていることも、地球上で命をいただいている以上、どこかでつながっているんですものね。
同級生つながり、も大事にしたいと思います。