すずめ
いつでも近くにいると思っていた彼らが最近少し減っているらしい。 今年は特に北海道で大量死したことが新聞などで報道されていた。 元々彼らは稲作にとって、稲穂をついばむ敵とも言える存在。それでも人々は彼らをいろいろな方法で追い払いつつ、落ちこぼれる穀物を拾わせて今まで共存してきたのだ。時には簡単な罠で捕まえ、食卓に登ることもあったらしいし。 だから、私たちにはとても身近な鳥なのだが、その割に私たちは本当の彼らの姿をよく知らない。 例えば一年中身近に居着いているかと思えば、けっこう季節で移動していたり、以前は家の周りにけっこう雀の巣があったものだが、最近の家は巣作りしにくい構造になっているのか、かえってシジュウカラや、当地ではイソヒヨドリなんかのほうが家の周りで巣作りをしている。 それから彼らの顔をきちんと思い浮かべられる人はどのくらいいるだろうか。なんとなく茶色の小鳥というイメージはあっても、細かい特徴はなかなか思い出せないもの。そしてよく見ると一口に茶色といっても、背中には黒いうろこ模様があるし、お腹は明るいグレーだし、顔の模様は1羽づつ違うらしい。 そんなわけで、作るのはけっこう難しい鳥です。 やっぱりすずめはいつも群れでいる印象があるので、一羽だけぽつんといるのはちょっとさびしい感じがします。 もちろん一羽で見ても意外ときれいな鳥なんだけど、やっぱり何羽かでおしゃべりしてるのがすずめらしいでしょう。 これは以前、新潟の高柳町で展示をしたときに、さとやまの生き物ということで作ったもので、いまでも何か展示のときに働いてもらうのに、うちの小さな段ボール箱の中で仲間と一緒に眠っています。 さとやまの風景とともに、そこにいた当たり前の生き物がいつのまにか姿を消してしまうこの頃、すずめたちにはそんなことがありませんように。