8月の庭
すごーく小さな、ピンク色の花、これは何でしょう? 答えは「コムラサキシキブ」。秋に明るい紫の小粒な実を枝ごとにかためて付ける小型の樹木です。園芸大国、英語圏では、このような小型の植物のことを「シュラブ」とか「ブッシュを作る」なんて言うみたいですが(発音が正しいかどうかは定かではありません)、日本では樹木か草本の区別はあるものの、薮植物と言うような呼び方はないように思います。 要するに草ではないのですが、背が高くなる木とは趣の違う、小型のもので、傾斜地や崖なんかに生えて枝を下方にたらし、八方に広がる感じの植物です。もう少し大型で、余り垂れ下がらない「ムラサキシキブ」というのもあります。 これの実は秋に葉が落ちると枝に固まった紫色が美しく、生け花にも使われますが、秋遅くには小鳥たちがついばんで、いつのまにか枝だけになっています。はじめのうちは他の餌があるのか、ほとんど減らないのに、減り始めると一気になくなるのは小鳥たちが「お取り置き」しているのか、はたまた不味いのか、それはちょっとわかりません。 ほかの実がなる植物は、春遅くとか初夏に咲くのに、これの花はかなり遅く他の花が終わってしまった真夏に咲くので、実のほうは早速大きくなって先に咲いた枝の根元のほうはつぶつぶの明るい緑色をした実がふくらんでいるのがわかります。 メジロたちがたくさん食べて、あちこち種を播くので(う○○)庭じゅうあちこち勝手に生えています。メジロといえば、今年は初夏からさっぱり鳴き声を聞かないので、どこかへ行っちゃったのかな、と思っていたのですが、7月の終わり頃から家の周りでさかんにさえずっています。ちょうど自宅での展示の最中、そのメジロたちがみんなで大騒ぎしていたので、何だろう?と庭に出たら、家のすぐ側にあるエゴの木の幹になにやら長ーいロープのようなものが・・・ 近づくとそれは「アオちゃん」でした。1メートルちょっとのアオダイショウ! 何年も前に、やはり家のすぐそばにあったメジロの巣にアオダイショウが首を突っ込んでいて、思わず棒で引きずり下ろした話を、前日に転じのお客さんとしたばかりだったので、笑ってしまいました。だって、アオダイショウはのろまで逃げるときもうろうろしていて、メジロがとっても勇敢だという話だったのですが、今回もアオちゃんは人に見つかったからか、メジロに大騒ぎされたからか、蔓に化けながら...