不思議なメッセージ

アサギマダラという蝶がいます。

茶色と黒の縁取りが、大きなうす水色の模様を取り囲むステンドグラスみたいな羽。やや大振りで、ひらひらとした独特の飛翔。長距離を旅することでも知られています。地域によっては比較的よく見られるらしいのですが、当地では割合珍しい蝶です。


アサギマダラ

長距離移動の中休みか、出発する前の鋭気静養中か、とにかく今頃の季節、ここ数年毎年庭を訪れるアサギマダラ。それもたった1羽だけ。決まった場所に数日止まり、近づくと飛び立つもののまた戻ってくる・・・なぜか毎年同じ行動です。最初にそれを見たのは、我が家で生まれ、8ヶ月半の短い命だった犬のテディが天国へ行った翌年。

玄関先で遊ぶ兄弟犬のまわりをひらひら、ひらひら飛ぶので、あ、テディが帰ってきた・・・と思ったものです。以来3年、毎年見かける1羽のアサギマダラ、今年もテディが帰ってきた。しかも、今朝はると庭に出たらそのアサギマダラと1羽のクロアゲハが一緒に飛んで来たのです。去年のはじめ、テディの母であるデイジーも天国へ~今年は一緒に帰って来たのかな?毎年、お盆の頃に家の中に入ってくる大きなオニヤンマ。それはいつからか我が家では亡くなった伯父になぞらえられています。

お盆だねぇ、伯父ちゃんが来たよ、と。不思議とそのころ、一匹の大きなオニヤンマが家に入ってきて、家の中でホバリング(空中で羽ばたきながら停空すること)したあと、すうっと出て行くというのが、一回くらいあるのです。オニヤンマにしてみれば、ハエか何か餌になるものを探してたまたま家に迷い込むだけなのでしょうけれど、ちょうどお盆の頃なのでそんな風に考えちゃうんでしょうね。

けれど、たいていは一度きりのことなのでなかなか不思議な感じがします。

古来、目に見えない自然現象や亡くなった人たちの世界など、人の想像力の中の世界、または人が失ってしまった見えないものを感じる力、を伝える役目を鳥や空を飛ぶ昆虫に託すということは自然なことかもしれません。

どこからともなく、自由にやって来る彼らには、なんの目的も法則もないと思われるのに、じつは人の想像力をはるかに越えた何かの仕組みや、壮大な目的があるのかもしれない。SF小説がひとつ書けそうな感じですね。

昔の人たちも、決まった季節にやってくる彼らとほんのわずか交信して、記憶の中を懐かしむということがあったのだろうなぁと想像すると、人という生き物が少しいとおしく感じます。近頃の日本や世界のニュースを見ていると、「全く、人間ってやつは!」ということが多すぎて・・・ちょっときらいになりそうだったけど。

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