シジュウカラのひな

5月最後の土曜夕方、ご近所の酒屋さんから電話がありました。
「入り口のガラス戸に小鳥が飛び込んで落ちちゃったんだけど・・・」持ってっていい?とのこと。

まもなく、おばさんの手の中に大切に入れられて、小さな白と黒の小鳥がやってきました。それはシジュウカラの巣立ち雛でした。片方の目をつむり、同じ側の足が折れてはいないものの丸まって開きません。

雛と言ってももう羽は伸びきって、十分飛べる体格、親鳥よりも少し小さく、色もくすんでいますが、立派な野鳥です。本来、巣立ち雛は近くに親がいるため、保護せずに猫などが来ない場所にそっとしておくのが一番なのですが・・・あいにく、そのお宅は車道に面していて、しかも冷たい雨の降る夕方のこと、とりあえず一晩お預かりすることにしました。

日のあるうちに青虫を数匹、居残りのブロッコリーから目を皿にして探し捕獲。

小さな段ボール箱にタオル巻きのお湯入りペットボトルで湯たんぽを設置。上に目の粗い布を張って、即席のワンルームホテル完成です。湯たんぽとの隙間にあしが引っかからないような布を敷いてそこに収容しました。すると、夕食後(人間の)には両方の目が開き、近づくと一人前に威嚇をする様子。青虫を見つけてつついたりしています。この分なら明日の朝ベランダから裏庭に放鳥出来そうです。


野鳥は何度か保護しましたが、まず温める、そしてその鳥の好物を与えてみる、体力があればなるべく早く放鳥する、といいようです。逆に元気なら、捕獲しないのが一番いいかもしれません。雛の場合、雨が降って濡れたりすると体力が一気に落ちてしまうので、一晩くらい、温めてあげるだけで翌日元気に飛んでゆきます。

巣立ちの時期は梅雨も重なり、天敵の目をくらませるためにはいいのですけれど、親からはぐれた雛には冷たい雨は命取りです。

そういえば、ちょうど2日くらい前に巣立ち雛を連れたシジュウカラが来ていましたが、このひなは近所で巣立ったそのときの1羽かもしれません。いずれにしても、翼6月1日、雨上がりの朝日の中に、この雛は元気に飛び立ちました。飛び方も、人を威嚇する迫力も、虫をつつく様子も、小さいけれど、もう立派に野鳥です。

今年も夏鳥の季節、裏山にはホトトギス、サンコウチョウの声が聞こえます。それと、今年はガビチョウの声が増えたようです。ここ数年、イソヒヨドリがやたらと増えて100メートルに1羽くらいいるのですが、ガビチョウの声で、イソヒヨドリが目立たなくなりました。

鳥や、昆虫など羽があって移動出来るものたちは環境にあわせて移動、気がつくと今までいた生き物たちに取って代わっていたり、変化の早さに驚きます。温暖化の影響も、ここ数年目に見えるほど顕著に現れているようです。生物の適応など、早いと言ってもいくらかは見えないところで進んでいるもの。実際に目に見える状態は、もしかしたら臨界点を越えている証拠かもしれません。毎日、植物や生き物を見ていると、そんなことがひしひしと感じられとても恐いです。

とはいえ、小さなシジュウカラもがんばって生きていることですし、人間もなんとかしなくちゃね。

ここからは、付録です。

アトムをご紹介します。
コザクラインコの アトムはうちの犬たちのお父さん「ソニー」のお家で去年の秋に生まれた6羽兄弟の1羽です。「挿餌」で育ったのでとても良く慣れて、去年の12月から我が家の一員になりました。性格が犬のはるとよく似ていて、好奇心旺盛、いたずら大好き、転けても落ちても懲りない鳥です。




あくまでもアトム本人の意志による遊びということが、合わせて1と2もご覧いただけるとわかります。

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