みなさまへ とうとうこの日が来てしまいました。 ずっと前から覚悟はしていましたが。 やめたら「文化の喪失」と考えて、半ば意地で続けていたのですけれど。 「文化」にも寿命があると知りました。 時代の流れは、川の流れと同じで一時的にせき止めたとしても未来永劫とどめ置くことは出来ないと改めて理解しました。 ということで、「やまね工房」は今年の6月に卸販売を終了したため、卸先店舗の在庫があればいくらかは残っている可能性がありますが、新たな商品は供給できなくなってしまいました。 卸先も含めて、ぬいぐるみたちを長い間可愛がってくださり、本当にありがとうございました。 ぬいぐるみを、利益集団として日本で製造するのは不可能に近く、これは伝統工芸でもないので変化にはあらがえないのかもしれません。 しかし、30年もの長い間、同じ商品が生き残り、愛していただけたのは本当に有難いことでした。 恥ずかしながら、死に損なって初めて量産してきた「ぬいぐるみたち」がしてきた仕事をきちんと認識出来た気がします。 そして、続けてきたことに間違いはなかった、と確信出来たのは幸いでした。 けれども、時代は確実に変化して、いまから先は何か別の、もっと直接、もっと具体的に世界を、生活を変えてゆかねばならない時代に入ってしまったような気がします。 風のにおいや空の色、からあまりに遠くへ来てしまった今、もはや日本では手仕事のぬいぐるみたちにそれを取り戻す仕事は荷が重いのかもしれません。 負け犬の遠吠えかもしれませんが。 形として残っている「ぬいぐるみたち」を見かけたら風のにおいや空の色、を思い出していただければと。 長い間のご愛顧、本当にありがとうございました。 なお、網走の店舗、並びにネット販売は在庫の商品がある限り続ける所存です。 生地の在庫がある限り、少数の作品販売も継続いたします。
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