コツメカワウソの親子

カワウソ・・・日本ではかつてカッパのモデルであるとも言われた、水陸両用生活をするイタチの仲間。

全国に分布してかつては民話にも登場したこの動物はしかし、日本ではもう幻となってしまった・・・絶滅した、とは言われないものの、生きた姿はおろか死体や痕跡さえもここ10年ほど途絶えたままである。


こんなわけで、かつての日本人はともかく現代の日本ではカワウソに会いたければ、動物園か水族館に行くしかないのです。そういうところで飼われているカワウソはおおむねカナダカワウソかコツメカワウソで、コツメカワウソはその名前の通り足の爪がとても小さく、指の先にちょこんと付いている、カワウソの仲間では小形の種類です。

南米にいるオオカワウソが最大で、北米のカナダカワウソ、ヨーロッパや、ニホンカワウソと同じ仲間のユーラシアカワウソ(朝鮮半島、かつての北方領土にはまだいるらしい)は、残念ながらどれも数を減らしていて絶滅が心配されているものもいます。

それは、良質な毛皮のために狩られたこともひとつですが、彼らが魚を主食にしていること、そしてとてもたくさんの食料を必要とすることによるものが大きいと思われます。

そのことは同時に世界中の川が人に利用され、形を変え、かつては豊富にいた魚も減って川自体の健康を損なっているということに他ならないとわたしは思います。考えてみてください。かつて海を回遊してきた魚が川をさかのぼって産卵にやってくる季節、川に石を投げたら魚に当たる、といわれた北海道の川もしかり。

初夏にはたくさんの稚魚が湧いたかつての浅瀬や川縁のワンド(雨が多い季節には川になり、減って取り残された水たまり状の池)も、今はコンクリートで固められたりしています。

今は昔、川が豊かに生きていた頃は大食漢のカワウソも、狩りがへたくそなシマフクロウも、当たり前にその辺にいたのです。

人が魚を捕ってしまった?そういうところもあるかもしれませんが、川のカタチが変わり、魚も水も自由に行き来出来なくなって川が死んでしまったのです。

川が死んでしまえばカワウソは生きられない・・・考え方によっては、日本の川漁師もカワウソと同じようなものです。川とともに生きてきて、川が死んだら生きられない・・・もっとも人は漁師をやめても別の職業につくことが出来るかもしれませんが。いま、世界中で食料や燃料とともに水の問題がとても重要になってきています。人の体も、生き物の体も、地球自体も水で満たされている。なのに、川が死んでしまったら、やがて海も死ぬかもしれません。

カワウソ→カッパ→水神→水の循環をまもる妖精(妖怪?)みたいな、ちょっと不思議でかしこい動物。

実際彼らはとても遊び好きで、好奇心の強い生命力にあふれた狩人です。手足の指も人と同じように5本づつあって、手をとても上手に使うし、なんだか親近感ありますよね。

以前、カワウソ研究者が「ミジビル」と名付けて飼っていたカワウソの話を本で読んだことがあり、とてもうらやましかった覚えがあります。

もし、何か一種類野生動物を飼育するとしたら、絶対カワウソ!と思ったものです。実際にはカワウソの飼育はおそらく、おそろしく大変で、なにしろ新鮮な魚をたくさん用意しなくちゃいけないし、プールもいるし、何でも魚臭くなりそうだし~第一あんな魅力的な生き物を、狭いところに閉じこめて自由を奪うのはひどい罪悪感でしょう。

この頃、とても珍しい南国の魚から、猛毒のヘビまで、お金さえ払えば日本にいて手に入らないものはない(少ない)のではないかと思うくらい。

生き物好きな人間のこと、違う種類の生き物と一緒に暮らしてみたい気持ちはあるけれど、彼らが現地での自由な暮らしを奪われて捕らわれの身になり、はるばる日本に連れてこられることを考えると胸が痛みます。

やはり野生動物はもとのすみかに。その愛らしい姿や珍しい習性を見たければ、映像を見るとか、彼らを大切に養っているそのような施設に出かけるのがいいと思います。


人が作り出した、一緒に暮らすことが出来る生き物はすでにたくさんいるんだし、一方で不要として捨てられる犬や猫もたくさんいるのですから。

ああ、話が脱線してしまって・・・コツメカワウソ。

そんなわけで、期間はあと少しですが、海遊館さんの夏の企画展のために。以前製作したニホンカワウソの子供(商品としてはすでにほぼ絶滅)を下敷きにして、たくさんいただいた資料画像を参考にコツメカワウソ親子を作りました。ほぼ実寸、体重入り。あのかわいいコツメカワウソの赤ちゃんをだっこしてみたい方は、これでがまんしてください。

海遊館
Webサイト http://www.kaiyukan.com

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