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雨のなか、どこかでカエルが鳴いている、と思ったら仕事場のすぐ前にあるヒメシャラの木の上でした。4月の終わりのことです。 ここ3年、以前は聞こえなかったアオガエルの鳴き声が、梅雨どきを前後して庭で聞かれるようになり、正体を確かめたいとずっと思っていたのですが、緑生い茂る季節、樹幹の中から声はすれども姿はなかなか見つからず「まぼろし」、いまだ「まぼろし」。 それが今年5月の終わりごろ、ようやく彼女が見つかったらしく、はじめて卵を産みました。たったひとつ生まれた泡の中の卵は(卵は泡の中にかたまってけっこうたくさん入っているが、泡の塊はひとつだけ)数日中にクリーム色の黄身?をお腹にたくわえたひょろひょろの小さなおたまじゃくしになりました。正確にはこの卵は我が家で生まれたわけではなくて、話せばなが~いいきさつがあるのですが、とにかくいまこの卵たちは、うちの軒下の水槽の中で先住のヤゴに多少食われたものの、ぷっくり太ったころころのおたまに成長しています。 そもそも今年は、いつも1月か2月にうちの池もどきに産卵にやってくるヤマアカガエルが、今年は来ないのかな、と思うぐらい遅く、しかもいつもは2つ生まれるのに1卵塊しか産卵しなかったのです。そして、5月のある日、うちと地続きの「トナリの空き地」で野菜などを育てているご近所さんが「おたまじゃくしいらない?」と言ってくれて、???と思ったら、どうも今年はヤマアカガエルがもうひとつの卵をその空き地の、水がたまった発泡スチロール箱の中に産んだようで・・・・。 結局、水を捨てて中になにか植えるというご近所さんから、ヤゴが何匹かと大きく育ったおたま数十匹を引き取って、今年は密度の少ないうちの池もどきに放したのでした。  それから数日後、ご近所さんはゴム手袋の手に今度は泡の塊を乗せて、これもカエルの卵だよね~、と持ってきてくれたのでした。私はそれを軒下のいつのまにかヤゴが数匹いるほぼ空家の水槽の、炭を入れた袋の上にそっと載せました。水面すれすれのところで、中身の卵の中にはクリーム色のしっぽがひらひら動いていました。 この卵は、なんでも例の発泡スチロール箱のわきにあった、あじさいの鉢の土に半ば埋もれて、乗っかっていたとのこと。すでに発泡スチロールはそこに無く、もし見つけてもらえなければ、小さいクリーム色のおたまじゃくしは水中を泳ぐことなく干からびると...

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卯の花の頃、木々は若葉萌え、小鳥たちはさえずり、雛を孵し、森や野山はにぎやかな季節になりました。 この季節は、夜になってもなにかとにぎやかです。わたしのところでは道路に面しているため、夜になっても車の音にさえぎられて、気がつかないことも多いのですが、なんとなく耳に入ると、ちょっと山際によって耳を澄ませてみます。すると「ホーホー」・・・「ゴロスケホーホー」とか、なんだかわけのわからない「ぎゃおぎゃお」だとか、たまには上空からピィオピィオ」とか、夜中なのに「ぐわっぐわっ」とか聞こえてきます。今ごろからは昼間もたまに鳴きますが、夜にテレビの音に混じってアオガエルの声が聞こえてくることもあります。 残念ながら近頃は、静かな時間というのはあまりなくて、深夜でも灯りは煌煌とあたりを照らすので、それらを静かに楽しむのは難しくなりました。でも、案外身近に意外な野生の生き物はいるもので、そんな環境にも慣れっこになっているのでしょうか。たくましく生活しています。そして、1度耳を澄ませてきちんと聞けば、次からは雑音の中でもちゃんと耳が「見つけて」くれたりします。そういう自然の音には、遥かなご先祖の時代から聞いてきた懐かしさがあるのでしょうね。 そんなことを考えていたら、網走の暗闇で出会ったきつねの家族を思い出してしまいました。もう20年以上前、どさんこ馬を飼っているお宅にお世話になっていたときのことです。ある日、もう雪がとけて水芭蕉も大きな葉が出るころ、夕闇・・・というか街燈などないのでもう真っ暗な中、小さな草地にヤギをつないであって、その近くにぼんやり腰を下ろしていました。 すると、どこからかその「けはい」はやってきて、ヤギと私の周りを行ったり来り、軽やかにぴょんぴょん、ざざざっという音がします。まるで子犬が駆け回って遊んでいるようです。どちらが先だったかの記憶はないのですが、近くの谷地で山菜採りをしたとき、小さな子狐を見かけました。たぶんそれに違いないのですが、全く姿が見えなくても、実に楽しそうに遊んでいるらしいのが感じられました。 こちらの存在に気づかないわけではないと思うのですが、きっと夜の闇が彼らを大胆にさせたのでしょう。貴重な体験でした。いまでも目に浮かぶ(見てないのに)楽しい思い出です。 「フリースのぬいぐるみ作り」講習会 網走にすむ羊たちからとれた「羊毛綿」を詰め、手足の...

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桜の花びらがはらはらとこぼれ、暖かい日差しの中を小鳥たちがさえずる季節になりました。冬の間、何種類かが一緒に群れていた小鳥たちも、気がつけばカップルで巣箱をのぞいたりしています。 新芽の明るい緑色や、淡いピンクの桃の花の間からにぎやかなさえずりが聞こえて、なんだか鳥たちも春を喜んでいるようです。まだ少し寒い日が交互にやってきますが、植物はどれも新芽を伸ばし、つぼみをふくらませ、眠っていたエネルギーを一気に放っているようです。こんな季節、かつて狩猟採集生活をしていたご先祖の記憶が、ふとよみがえったりします。 枯れたように見える茎から、とてもやわらかく「美味しそう」な緑が芽吹いていると、ついつい摘み取っていただきたくなってしまう・・・。栄養もありそうだし。ちょっと「アク」はありそうだけど。もちろんどれでも食べられるわけではないけれど、うちで毎年この時期にいただくのは「アケビ」の新芽、エゾウコギの新芽、「木の芽」といわれるサンショ、などなど。母は土手の上のゼンマイが気になるし、てんぷらならウドやハナイカダ、ハルジョオンや畑ワサビの葉とか、庭を一周すればけっこう集まるものです。アケビの新芽は毎年おとうふで「白和え」にします。 そんな山菜は、一番最初に出てくるやわらかい新芽を少しだけ摘み取っていただくもので、植物はちゃんと次の芽を用意していると、かつての人々は知っていたのでしょう。だから山菜は1番芽を摘み取られても、かえって丈夫な新芽をたくさん出して、来年もまた同じように収穫できるのです。 そんなことを考えていたら、かつて網走で「こごみ」を採りながら子狐たちに会ったのを思い出しました。巣から出てきたばかりであろう数匹の子狐が、山菜採りの私のわきを「がさがさ、ぴょんぴょん」と通りすぎていったというだけの出会いでしたが、野生の生き物と人との自然な出合いを体験できたひとときでした。 この季節ならではの貴重な味、少しだけ大事に摘んでいただきましょう。

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三寒四温といいますが、まさに春を越えて初夏のような暖かい日と、真冬の寒さが交互にやってくるこの頃、雨のあとにはいくらか例年より遅かったマンサクやトサミズキの花がほころびていて、楽しいことです。 さて、ヤマアカガエル産卵異変か?ということで、みなさまにはご心配をおかけいたしましたが、2月中にどうやらカエルは産卵いたしました。2月は比較的暖かかったのですが、雨が少なかったので、早いうちに産卵していたらたぶん水が減って卵は干からびていたでしょう。いつもはたいてい2つの卵塊を、いくつかある池もどきのどれかにひとつづつ産むのですが、今年は3月12日現在卵塊はひとつのままです。 例年、産卵は暖かい小雨などの晩に行われ、その晩はカエルの声がにぎやかですが、寒い日や風の吹く日はカエルたちは鳴きません。ところが、今年は卵の数はひとつだけなのに、雨模様の日は昼間から、寒い晩にも夜になるとしょっちゅうカエルの声が聞こえてきて、ちょっとうるさいくらいです。まとまった雨がなかなか降らないので、カエルたちはあせっているのでしょうか。それとも雨乞いでもしているのかな。 一方、生まれた卵たちは、暖かい日差しに急き立てられるように発生が進み、この2日の4月なみの陽気で一気におたまじゃくしとなりました。戻ってきた寒さに表面の卵たちは凍りながらも、その日のうちに氷がとけてしまえば、なにごともなかったように発生を続けます。全くたくましいものです。今年はもう産卵はないか・・・とまで考えた私の考えは浅かったようです。おそるべし「カエル」。今年のお天気をきっちり予測していたのですね。 暖かいわりに雨のとても少ない2月は、ヒヨドリたちを「畑荒し」のギャングに変えてしまい、ブロッコリーの葉っぱも菜っ葉も、ほとんど葉柄だけになってしまいましたが、3月の声を聞いてから少しづつ湿気が戻ってきて、菜っ葉も芽をふいてきました。ブロッコリーのほうはネットで覆ったので、なんとか少し収穫できて、一緒に植えたソラマメにはもう花が咲いています。 寒さの戻りには足踏みをして、一気に暖かくなれば1日でびっくりするくらい成長して、春は植物も動物たちも大いそがし。もうすぐ桜も花を咲かせることでしょう。庭の見まわりもいそがしいことです。

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二月はいちばん寒い月、とはいえ日一日と日暮れは遅くなり、どことなく日差しも強く感じるこのごろです。 例年、庭の「池もどき」ではこの季節、ヤマアカガエルの産卵が始まるのですが、今年はなんだか少し変です。寒さの中、ふっと緩んだ寒気と湿った空気が帯のように漂って来る、そんな晩にはたいてい少しくぐもったカエルの鳴き声がお約束のように聞こえてきます。そして翌朝、池もどきの中に私はたいていゼリーに覆われた黒いつぶつぶを発見するのです。 翌日か翌々日には薄氷が張る寒気が戻ってきたとしても、やがてはあたたかい、湿った空気のほうが常駐し、寒気はときどき戻ってくるだけになると、カエルたちは知っているのですね。 ところが今年は、何度も鳴き声を聞くのに、朝「池もどき」の中はかき回された浮き草がただよっているだけで、卵の姿はないのです。なにが起こったのだろうか。気候の変動が激しくて、カエルはちょっと迷っているだけ、もう少したったらなにごともなく、いつものように黒いつぶつぶが見つかるさ。という考えが半分、いや、今年はこのまま産卵しないで終わってしまう。もともと数が多くなかったカエルのこと、メスがいなくなってしまったか?それとも気候変動に関わる自然界の異変か?とか。 たかがカエルの卵ひとつのことですが、なんだか毎日落ち着きません。今年は去年の秋から冬にかけての雨の多さや暖かさで、植物も早く芽を出しすぎて枯れてしまったり、やたらに早く花が咲いたり、花の数が少なかったり、ちょっといつもと違います。植物や動物は、今起きていることよりも原因が前年に起因することも多く、今年もいろいろなものが順調に育つスタートとは言えない感じがします。どうか今年の春、夏が順調で、去年の不調をとりもどしますように。 今年やって来た美しいルリビタキのオスに願いをかけたい気分です。彼らは冬の終わりに庭にやってくるのですが、たいてい1羽きりで年によっては尻尾が青いだけのメスや若鳥で、背中が青いきれいなオスが来ることはめずらしいのです。 そろそろふきのとうや早咲きのオオイヌノフグリ、つくしが待ち遠しいこのごろ、気を取り直して日溜りで探してみましょうか。

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みなさま、明けましておめでとうございます。 去年はなんだか陽気が不安定で、世の中もいろいろなことがあって、なんとなく暗い年末だったようですが、今年のはじめにかけて、お天気だけはいい毎日が続いています。雨や曇天が多いと、気分が暗くなるばかりか、植物や動物も育ちが悪いものです。こういうときは、普段なにも感じないお日さまのありがたさがよくわかります。 一年の一番はじめに昇る太陽を「初日の出」として迎えるのは、もちろん心機一転、あらたな気持ちに切りかえるという意味もあるのでしょうが、古来、太陽を頼りに農耕をしてきたご先祖の血筋というものもあるのでしょう。この地球上のちっぽけな出来事なんて、太陽や月や星や、宇宙の営みのほんの一部分でしかないのに、なんだってこんなにややこしいのかと考えてしまいます。今年は、地球上の出来事が平穏でありますように、と願いたいものです。 さて、そんな年明けとともに、干支を一年先取りしたある生き物が我が家にやってきました。といっても自分で歩いて来たわけではなく、11月に一緒に「3人展」をした、陶芸作家の松尾さんが、奥様とご一緒に伊豆へ初日の出を見がてら持ってきてくださったのでした。 その生き物とは・・・・「3羽の烏骨鶏」。 秋にうさぎの「チョコ」が7歳で天国に行ってから、畑の肥料係が空席だったのですが、これで見事に埋まりました。しかも、もう少し馴れたら庭に放し飼いにして草むしりなども手伝ってもらい、そのうち卵なんかも産んでくれたら言うことはありません。かなり楽しみです。

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各地からの紅葉の便りも終焉を迎えるころですが、気候温暖と言われる当地では、これからが紅葉の見ごろです。   家の窓から見える川沿いのもみじが、ここ数日,目に見えて紅くなってきました。周りの山々も、なんとなく色づいて明るくなったようです。それにしても、11月も終わりになってから台風が来るなんて、あまり記憶にないことです。ほんのかすった程度だったので、たいしたことはありませんでしたが、雨の量が多く、風も吹いたので予定より早く葉を落とした木々もあるのでしょう、道路がどこも落ち葉だらけです。 乾き始めた空気のなかで、思い思いにカールした落ち葉たちが風に舞い、重なり合って積もるのを見るのが大好きなわたしには、思いきり湿って地面に張りついてしまった落ち葉はちょっとがっかりです。それでも、台風が去って広がった空は冬を予感させる澄んだ青空でした。 9月の終わりから急に冷え込んで、10月が寒かったせいか、本来年が明けてから芽を出すはずの植物が、発芽してきてちょっと心配です。あろうことかつぼみまでふくらんできて、寒波が来たらどうなっちゃうんだろうと・・・。たぶん開花しても本来の花にはならないでしょう。植物にも勘違いってあるんですね。 暖かさが戻った日に、カエルが鳴いていた、といううわさも耳にしました。ほんとうに寒くなるのは1月の終わりから2月ごろですが、春の兆しを感じるのか、当地ではそんな頃にヤマアカガエルが産卵にやってきます。カエルの声を聞くと「ああもう春がそこまで来ている」と感じるものですが、そう考えるとほんとうに「冬来りなば、春遠からじ」ですよね。 まだ冬になったばかりですが、今年はいろんな意味で春が待ち遠しいですね。 【網走店より講習会のお知らせ】 1.迎春のタペストリー 若草色の和紙のタペストリー(20×30センチ)に、白い椿や水引などをアレンジして、和の情緒溢れるお正月のタペストリーを作ります。 2.初春の華 黒竹の花器(26×9センチ)にピンクのぼたんなどのアートフラワーや水引などをアレンジして、新春の華やかさを盛ります。