覚書 テレビ番組「プレミアムドラマ」


12月のNHK、BSプレミアムドラマで「書家 金澤翔子さん」の番組を見ました。
「お母さま、しあわせ? 母と娘の・・・」という題が付いたいわゆるドキュメンタリードラマです。他にあと2話あって、かつて一世を風靡した故「ナンシー関」という消しゴムで作ったスタンプで芸能評論みたいな表現をしていた女性のものと、もう1話は沖縄の離島でドクターヘリを継続している現役の医師の話。
全部とてもおもしろくて感動できました。
なんか制作陣の気合いが入っていて、気持ちよかった・・・そういうのって見る側に伝わると思う。

で、その中の1話

彼女はダウン症を持っていて、ダウン症の…と言われることが多いのですが、今や「書家」として立派な表現者のひとりであり、他のダウン症の人々も感性がたぶん、普通と言われる人々よりもすぐれていると思われます。
ただ、表現する技術を学ぶチャンスが少ないので、まわりの人たちがそれを上手に作ってくれないと表現することは難しいのだと思います。
それはたぶん、翔子さんのお母さんのように、ほんとうに彼女を愛している人にしか出来ないような「忍耐」と「ある種の厳しさ」が必要なことです。
それは、親が子どもを育てるということの原点であるような気もします。
お母さんはたぶん、子どもより先に肉体を失うわけで、そうなったときに子どもが、まわりの人から尊敬される・・・人として扱われる・・・ような人に育てることが親としての役割だろうから。

思うに13番染色体の、1本多い1本は、現代に生きるわたしたちが「途中で失ったもの」なのかもしれません。
ダウン症のひとたちは「天使のよう」という表現をされるように、「思いやり」があって、感性が豊かです。それはたぶん、人類が本来生物として持っている古い脳の部分であり、情報処理のための新しい脳を発達させるためには「余分」な「制御装置」なのかもしれません。

現代人は、出生前診断と言われる「科学技術」で、それを思い出す縁すら断ち切ろうとしている・・・

そんなことを考えさせられる番組でした。

たぶん、制作意図のひとつだろうけど、他のダウン症の人たちが、表現の方法を獲得するチャンスになってくれればいいな。

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