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9月, 2014の投稿を表示しています

生き物の描き方

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前回の投稿に引き続き、同じ著者の昆虫以外の生きものの描き方ですが、描き方とある以上に付き合い方というか、学び方というか・・・親しみ方というか。 あとがきの部分に、初めてわたしとの共通点を見つけて愕然としました。 同じ、「科学ジャーナリストの会」でお世話になった、「新妻昭雄さん」が出てきたからです。 彼は、「ダーウィン」のライバルともいわれる「ウォーレス」の研究者として、そして恵泉女子学園大学の教授として「庭」に多大な興味を持ち、焚火や、家庭菜園を共通の趣味として、同じ伊豆半島に引っ越して間もなく・・・これからのんびり、研究者・物書きとしての人生を始められるというときに、肉体を亡くされました。 彼を知る人々、環境について考えるときのポラリスみたいな存在をなくしたわたしたちは、それこそ落胆したものでしたが。 コウノトリの郷を立ち上げた「池田 啓さん」や、ほかにも多くの大切な先輩が、次々早世されて・・・ でも、このように、「ゆかり」を感じる出会いがあるんですね。 彼らがやり残した仕事を、わたしたちが繋いでゆかなくては。 この状態で帰ってきた意味、みたいなものを感じます。

昆虫の描き方

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これは、この前紹介した絵本の作者、盛口 満さんの「昆虫の描き方」です。 編集は東大出版会。 かたい本が多い東大出版会ですが、生物の世界を描くユニークな出版物も、じつは多いです。一般書店に並ぶ機会が少ないのは残念ですが。 これも、新聞の広告で発見したものです。 じつは編集者が、以前、わたしも門外漢ながら参加させていただいていた「科学ジャーナリストの会」のメンバーで。 著者と題名にふれたとき、たぶんそうだろうな、と想像したら、当たり、でした。 ずっと関わり、工房の仕事もその延長線上ですが、自然環境について考えつづけているわたしには、盛口さんもですが、件の編集者も、同類と感じられます。 これはわたしの勝手な想像なので、先方にはご迷惑かもしれませんが・・・ 自然環境についての考え方は、もちろん人それぞれ。 わたしは、以前から人も生きものであって、生きものはすべて平等であり、それぞれがこの地球上でみな役割をもって共存している、と考えていたのですが、この一年の経験によって、それを確信しました。 だから、最近の天候不順も、安定しない環境も、それが本来の環境であって、生きものたちがみんなで役割分担して、長い年月をかけて住みやすい地球環境を整えてきた、と感じています。 人類の英知で、それを取り戻すためには、なにより近くで暮らす同じ生きものを、良く見て学ぶ、ことだと思います。 たいていのこどもは、放っておけばまず虫に興味を持つものです。 最近は、虫より面白く感じてしまうさまざまなおもちゃや、ゲーム機などが存在するので、それに触れずにオトナになる、という不幸もあるようですが、他の生きものは「生命」や「宇宙の法則」を教えてくれる、生きものにとっては何より大切な教師であり教材だと思います。 そして、こどものときそれにふれる機会がなかった人にも、あとからちゃんと向き合えば、彼らはそれを教えてくれます。 「昆虫の描き方」は、単なるノウハウ本ではなくて、「向き合い、学ぶ」ための入り口なのです。こどものとき、昆虫と遊ぶチャンスがなかった人たちに、それを伝えたい、という思いが楽しく伝わるといいな~

白樺樹皮細工の講習をやりました

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スキージャンプで有名な北海道下川町で白樺の木を無駄なく大切に使って様々な使い方を探ってみるという事業を行っているらしいのですが、その一環で樹皮を使ってかご などを作っているそうです。 そこでワークショップをされている佐藤さんがアニマの里に宿泊されたことで知り合うことができました。 フィンランドでは古くから作られているようですがそれを下川町で作っているの に驚きましたし、どれもみな素敵なもので気に入ってしまいました。 今回網走のMさんが樹皮を提供してくださることでワークショップが実現しました。樹皮とは思えないようなしなやかさがあり作りやすく出来上がりに満足、満足!!  また、白樺の葉のお茶もとてもおいしかったです。身近に白樺がいっぱいあるのに知らなかったことばかり、いろいろ教わりましたし白樺を見る目が変わりました。 樹皮がなかなか手に入らないようですので樹皮を手に入れて次はもう少し大きな かごに挑戦したいと思います。  教えてくださった佐藤さん,茶谷さん、樹皮を提供してくださったMさんありがとうございました。 網走店より

去年の誕生日

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そうそう、じつは去年の9月9日は病院のベッドの上だったのですが・・・生まれてからいちばん、幸せと感じた誕生日でした。 シチュエーション的にはベッドの上で動けず、本当に最悪だったのですけれどね。 そして面会もようやく自由になったところで、車イスがやっと少し使える程度でしたから。 ベッドの手すりにはヘリウムガスの風船(いとこが持ってきてくれた、お花がだめだからきっと叱られると思い、戦々恐々だったが、無機質だから大丈夫ということで・・・しぼむまでずっと手すりに居てくれた)、そしてたくさんのカードも。友人たちがメールで連絡をとって送ってくれたと後で知りました。 おめでとう、って言われても素直に喜べない今まででしたが、生きていてよかったと、しみじみ思いました。幸せって物質ではないのです。わかってたつもりだったんだけど、実感してなかったんだね。 そして、今年の誕生日、の次の日だったけど、エリザベス(失礼かな)さんからメールをいただいて、何よりのプレゼントになりました!

かたつむりが食べる音

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「かたつむりが食べる音」をブログで紹介して、この本を読後に貸した、プチ社会復帰の助っ人をしてくれた友人が、ユーチューブの画像の中に著者が投稿した画像を見つけてくれました。 この本がとても気に入ったことや、自身の後遺症との付き合い方などでとても励みになったことなど、是非著者にもお知らせしたいな、とカタコトの英語でメッセージを送ることにしました。 こちら です。 そしたら、うれしいことに、返信をいただきました! 日本からの「ファンレター」は初めて、とかたつむりのイラストもいただきました。言葉のカベはありますが、装丁の面白さと言い、不思議を追及する知的好奇心といい、それが伝わる楽しさは、やはりネットの威力ですね。 とても小さい絵です。 世紀末から続く人類の暴走に、未来への希望を失いかけましたが、こういうことがあると、もしかしたらいくらかでも明るい未来に変えられるかも?と考えられます。 イラストのとても小さなかたつむり、どっこい人類よりずっと長くこの地球に暮らしてきて、植物とも仲良く、つつましく、おおらかに生きているんだな、と。 線もシンプルで何よりかわいいです。 著者が以前のように、森を犬と歩けるようになったらしいと知って、(たしかあとがきにありました)とてもうれしいです。わたしもそれが目標です。

新聞記事より

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土曜日の朝日新聞別刷りに、犬の話出てました。 この方はけっこうな高齢で、もと資生堂の経営者。 知る人ぞ知る、野生蘭のマニアで著作もたくさんあります。 考え方や嗜好が近い感じで、いつもコラムを読んでいるのですが・・・たまたま犬の話でした。 朝日新聞デジタル で見られますが、全てみるには登録が必要なようですね。 それと、ピダハンの友人が、「かたつむりが食べる音」の著者が投稿した動画を教えてくれました。

犬と人の生物学

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最近、本の話題が多いです。 まだ目の筋肉が整っていないので、長時間の読書は出来ないのですが。 おかげさまで知的好奇心だけは失くさなかった、というか以前に増した気がします。単純に時間がある、ということかもしれませんけれど。 この本は築地書館というところから出版された犬についての、本業が心理学者の書で、ご本人の犬好き・・・を心理学的考察や、生物学に照らした「珍しい」中身です。愛犬家というくくりで言うところの、擬人化されたものは正直少し苦手なので、わたしにはぴったり!「築地書館さんは、以前わたしが出入りしていた「科学ジャーナリストの会」で、ちょっとだけお付き合いのあった本屋さんです。 今の時代、紙の本で科学という分野の出版物を「飯の種」にするのはなかなか困難だと察せられます。 で、出版リストは毎年、年賀状代わりにいただくのですが、今までは正直時間が無くて、また書棚のスペースも少なくて(資料になる図鑑や写真の大きいサイズのものが多くて・・・入りきれない)控えていたのです。本を処分するの嫌だし。 新聞広告で見て、電話注文しちゃいました。このように、書店の営業も難しい昨今ですね、残念ながら。 本来は書店で出会って、面白そうな内容とか、装丁の美しさ、手触りなんかを確認してから、うちに連れて帰るのが理想なのでしょうけれど。 築地書館さんの出版される本は、たまたまわたしの趣味・趣向にぴったりのものが多いです。あとでご紹介しますが、長谷川哲雄さんの野生植物と昆虫を描いたものも。 また脱線しちゃいました・・・ 犬と人との生物学は、言ってみればその進化を含む歴史というか、常々わたしが感じていた、「犬と人との友情」というかともに進化してきたお約束みたいなもの。それが専門の研究者としての目から見て、証明されてゆくみたいな感じでした。 犬と人とは、最初「狩り」という共通の目的のために近づいて共生してきたのでしょうけれど、人間同士のように利害の関係だけではなく、思いやりや「愛」を持っているとわたしは感じます。でなければ、盲導犬や介助犬のように、自らの命を賭して助けてくれるはずはありませんもの。 パンジーの育種を通じて、植物と人、やほかの生きものの間にも、それがあると感じるようになりました。というか、それは個体間の問題ではなく、世代を重ねた歴史そのものかも

ケルシージャパン

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クイズです。 これは何でしょう? 少し前のブログに画像があります。 昨日の夕方、これを見たらみごとに変色していました。 褐色に見えたのでもしかしたら腐っちゃったかな~と心配だつたんですが・・・ もしかしたらまだ間に合うかもと思って、スタッフに高枝ハサミで収穫してもらいました。まだしっかり枝にくっついてたと思ったのですが、強く触れた瞬間に落下してしまって。蚊の攻撃を避けながら拾いに行ってもらうことに。 ややつぶれましたが、まさに完熟。 黄金食の果肉にたっぷりの果汁。 ほんとに内輪で切り分けていただはました。至福の時。 画像、撮るの忘れました・・・ごめんなさい。 上の画像は新聞の通販で新調したデジカメで、ようやく撮ったライムの実。 数年前に種苗会社から購入したものの、ちっとも大きくならないでようやく今年開花、結実はあきらめていたのだけれど2個成りました。 と、ブルーベリーの葉に止まったオンブバッタの♂ さすが新品なのでクリアに撮れましたが・・・添付で送れるかちょっと不安。 あまりに小さくて軽いので驚きました。 スマートフォンより小さいかも。

かたつむりが食べる音

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ちょっと前に読んだ本ですが・・・ 「かたつむりが食べる音」これも新聞の広告で見つけたやつ。 最近、本のタイトルも色々で。 キャッチコピーというか、タイトルそのものがやたら長いのや、中身が想像しにくいのもあって。まあ、当たりかはずれかは求めるものによっても違うので、最終的には読んでみなくちゃわからないんだけど。 これはそのものずばり、終始かたつむりの、生態というよりは「暮らし」そのものといった感じで、装丁もそれを生かしてあって、カバーがビジュアル的にも素敵!ってわたしは思ったのだけれど、生きもの好きでない普通の人には気持ち悪いかもです。子どもはたいていかたつむり好きみたいだけれど、オトナになってもかたつむりに興味がある人は少ないかもしれません。 著者はガーデナー(庭師)だった女性で、年齢的にも思考や嗜好もわたしに近いと感じたので、共感しながら「文字を読む」というやや困難な作業にもかかわらず、あっというまに読めました。これはまだ、退院したばかりで途方に暮れてたときに出会ったので、当時とても励みになりました。 海外のお話ですが、最近日本でも明らかになりつつある、マダニが媒介するウィルスに他国出張で感染してしまった著者は、当時はっきりした因果関係も治療法も確立していない中で、寝たきり生活をするはめになります。植物と関わり、自然の中で生活出来た身は、ベッドを中心とした閉じた空間に生活するしかないのです。本当に、何でも選択出来た普通の暮らしをしていたのに、ある日突然選択肢がなくなってしまう生活は、なんとも表現しがたく、わたしにはリアルです。 その中で、友人が森から「拾ってきた」一匹のかたつむり。それは彼女にとって、ただのかたつむりではなく、外の自然界そのものであり、それに対する「以前と変わらない好奇心」を自ら発見するよすがであり、また「ひまつぶし」であって生活のすべてでもある、というものでした。 しかし、であるからこそ、「かたつむり」という、特殊な進化をした生物の言わば生態に数年間をかけて密着するという研究者としての目と、彼女の森への思いとが重なって、読み物としても美しいと感じることが出来ました。遠く、日本で翻訳出版されるだけのことはあります。それだけ手間も時間もかかっています。 そういうことが伝わる、ということに感動しました。 電子書籍も