さとやま暮らし

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2014年7月27日日曜日

プチ社会復帰・その2

ホクシア、またはホクシャこれもたぶん学名、和名はたぶん英名の訳 で、「女王さまの耳飾り」これは吊り鉢仕立てになっていたものを、ご近所にお住まいで、数回だけご教示頂いた後転居された津軽三味線の師匠から10年以上前に頂いたものの子孫、ハコネヒメシャラの木陰でずっと路地越冬していて、初夏には毎年咲いてくれる。

4月、当日。

駅まではうちに来てもらっている工房スタッフに送ってもらって、タクシーで行きました。直前にしょうがい者手帳を支給されたので、タクシーは一割引いてもらえます。じつはこのしょうがい者手帳もいわくつきで・・・交通機関、JRとかも割引があるのですが、100キロ以上、乗車券に限られて、介助者ともども2名が半額になる、というものです。しかし、品川駅は熱海から100キロに満たず、よって特急券が次の東京よりもかなり安く、じつにグリーン券(送迎サービスには指定券をとる必要があるが、乗り継ぎがタクシーのため時間が読めず。で、乗り遅れる可能性を考えてひとつ後の指定席をとり、前のに乗れたら自由席に変更してもらって、座れなかったらグリーンに変更するという方法をとりました)は品川と東京で倍になる、という料金体系。東京まで在来線を使ったら全行程で片道4時間はかかりそうで現実不可能です。結局、二名半額というのは交通機関は全く損をしないっていうことなんだな。特急券は対象外なので、もちろん割引はなしです。

このしょうがい者手帳は県が発行するものだそうで、申請には当然ですが医療機関の診断書が必要で、発行までにほぼ3か月かかります。退院時に申請したので発行されたのは4月、しかも県から郵送されると聞いていたのに、実際には市役所まで本人が取りに行かなければならず、そのときはまだ手帳がない状況なので、なんだか違和感を覚えました。しかも、市役所が工事中で、駐車が出来ず、手帳受け取りや高額医療の払い戻しに何度も市役所まで、自腹で命がけで行かなければならず、この国の福祉を疑いました。そうやって苦労して行ったにもかかわらず、未だに高額医療の払い戻しは振込されていないし。

で、話を元に戻して、改札から乗車までは駅の職員が、まあ駅員さんですね、駅備え付けの車イスを押して送ってくださり、乗車から席までは車内の車掌さんが介添えしてくれます。最初のとき、感動して、さすが日本のJRと思ったものでした。
が、それは残念ながら思い違いだったのです。

結局、週に3日は疲れそう、とかちょうどアメリカのオバマ大統領が来日して、交通規制が心配・・・とかで最終的には本番の授業は4日、助っ人には予定通り6日、行ってもらって、授業を終了しました。

結果、授業の方は思った以上に上手くいって、それなりの結果が出たように感じますし、この授業という試練は自分にとってなりよりのリハビリでした。

でも、4日間の行程で、実に3回も新幹線の送迎サービスにトラブルがありました。それは、単純に連携ミスの部分もありましたが、すなわち、降ろしてくれるばずの車掌さんが降りる間際になっても来ないとか、下車したホームに車イスが居ないとか。

最期の日には信じられないことが起こりました。下車する駅の手前で、車内の車掌が電話に出ていて、とうとう降ろしに来てくれなかったのです。その日はたまたま早く出られたので、乗る電車の指定席に変更出来て、指定席(たぶんグリーンだったら近くに乗客がいなくて降りられなかった)に座っていました。それで、隣席の乗客がたまたま熱海駅で下車する方だったので、その方が手助けしてくださいました。熱海駅はホームがカーブしていて、列車とホームの段差や空間が広く、歩ける人でも危ないのです。しかも停車時間は短くて。

そして、駅には車イスと駅員さんがこのときは待機していてくれたので、無事車イスに座りました。そしたら、車内から乗客の男性が大き目の皮財布を持ってきて、今のお客さんが落とした、とホームの駅員に渡そうとしました。ところが、ホームの駅員は車内の落し物だからと言って受け取らないのです。そうこうしているうちに発車のベルが鳴って、そのお客さんは財布を持ってしかたなく車内に戻りました。
お財布は列車に乗ってそのまま次の駅へ、たぶん善意のリレーで車内の車掌に渡ったと思いますが・・・

当初、咄嗟のことで、えっ、お客さん降りちゃったのに?と驚きましたが、わたしはもしかしたら改札までの間にあのお客さんいるかもしれない・・・と探しました。が、残念ながら見つかりませんでした。

そもそも車内の車掌さんが電話してて来てくれなかったから、でしょう?
せめて何とか、手配してくれたりしないか、また、よろしく伝えてほしいと懇願したのですが、職務外とのことで取り合ってもらえませんでした。

その後、気持ちのやり場に困ったわたしは再度駅の車イス予約電話に電話をかけて、状況を訴えました。そうしたら、お客様同士のことなので介入は出来ません、と。苦情に関することならば、時間外(帰宅してからなので午後6時過ぎていた)なので別の電話に明日以降連絡してください、と。とりあえず話は聞いて、上司に報告しておく、ということでした。

たぶんそれが、その人のポジションでの最大限の親切なんだろうと思います。そういえば、このサービス(車イス送迎)は人手があるときに限りなので、出来ないこともあるって言ってたな~。でも、へたしたら人身事故になる可能性だってあるわけでしょ。周りの乗客とか、たまたま居合わせた人の善意で、ことなきを得るというか。または、しょうがい者は迷惑だから出てくるな、ということか。
どうにもやりきれなくて、新聞の投書もやってみたけど、採用されませんでした。
わたしに出来るのは、助けてくださったかの乗客が、無事に財布を取り戻してくれるように祈るだけです。

翻って、この国の交通機関で働く人々の職業意識というか、プロのプライドを疑うとともに、市井の善意がまだ残っている、という部分で少しだけ安堵するという微妙な体験でした。

少し前にお隣の韓国で起きた大規模な海難事故にも通じるところがある、社会の劣化を感じてしまいました。

こんな顛末をどうまとめるか、消化するのに3か月かかってしまいました。

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