本の紹介1

この入院で、ありがたいことにお見舞いに本をいただいたり、新聞の広告で見たりして、すばらしい図書との出会いもいくつもありました。

目も筋肉なので、焦点が合いづらかったりすぐ疲れちゃったりで、スピードはありませんが、その分深く読めるかも・・・と勝手に納得して、書籍とお友達になっています。
その中のいくつかをご紹介したいと思います。

横塚真己人さんの「さがりばな」



写真家の横塚真己人さんとは、確かある会合でお目にかかって以来、年賀状のやりとりをしています。
自然をモチーフに、沖縄の西表でヤマネコを撮った写真は有名ですが、その背景であるマングローブの森に咲く、さがりばなの花は、一夜の開花で実を結び、それを海に落として世代交代をします。

わたしも、かつて西表に行ったとき、夜間ではなかったし、ピークではなかったので、ドラマチックな光景は見られませんでしたが、少しだけ垣間見ることは出来ました。
熱帯雨林の、濃厚な種の多様性の中で、水際の特殊な環境にみごとに適応して世代交代するさまはまさにドラマチックで、それを誇るように美しい。
しかし、それを現地に行かないで感じることが出来るのは、このような瞬間をひたすら待ち全身で地球時間と向き合える忍耐と根性、そして美しさをとらえる感性をもって本の形にしうる作家がいるからです。

才能も、もちろんあると思いますが、過酷な自然の中でその瞬間をとらえることはまさに奇跡だとわたしは思います。

さがりばなの香りは記憶していないのですが表紙の写真から香りが漂ってくるような錯覚を覚えました。

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