台風のあと

仕事場の窓辺にジョロウグモが巣を張っています。今頃は♀のジョロウグモが巨大に成長し、同じ網のはしっこに極小さくて見つけるのに苦労するような♂グモが同居していたりします。

彼らは噛みつくわけでもなく、見た目はちょっと気持ち悪いけどまあ個性ということで・・・しかし、その網は困りものです。オニグモのときに調べたら、彼らも早朝に網を張り直したりしているらしいのですが、とにかく庭の至る所、ちょうど通り道に張られた彼らの網は光線によっては見えにくく・・・顔を直撃!眼鏡にべったり&頭にクモ!でパニック。

この季節庭を歩くのにはちょっとした棒か木の枝で露払いをしながら、というのが常識。でもしょっちゅう忘れて「うわ~~~~~」。

でもそんな彼らですが、秋の真っ青な空の下色づいた枯れ葉を網に載せ、じっと物思う(ように見える)姿は、冬が近づく晩秋の風景として美しいものです。寒い朝は網に朝露が乗り、きらきら光ったりして。
で、そうそう今日の話題はジョロウグモではなく、その窓辺にいた奇妙なクモのことです。


今年は夏以来なぜか虫に縁があり、昆虫ではないものの、クモにもなにかと親しんでまいりました。嫌いな方にはホント申しわけないのですが、よく見ると虫たちの美しさには長い進化の歴史があるせいか、驚くバリエーションと工夫?の数々・・・まさにセンスオブワンダー!!

そのクモは、一見ジョロウグモに見えてどこかが違う?模様も違うしちょっと小ぶり。色もなんだか変?いままで見たことがないし、ジョロウグモよりずっと上品(ジョロウグモごめん)で美しい。そこで、枝にからめとって撮影し、ネットで検索。ジョロウグモの仲間はアシナガグモ科というものらしく、どうやらこの仲間くさい。それでその仲間の中にシロカネグモを見つけました。

いくつか種類があるものの、その中にぴったり合致するものがあり、それは「オオシロカネグモ」という名前でした。なんでも渓流の周りに住む、とあります。家の近くに渓流はあるのですが、隣接してはいないのでたぶん今までは見たことがなかったのでしょう。きっと前日の台風の嵐で飛ばされて来たんですね。網戸に張り付いて途方に暮れていた感じです。


そして、このクモは興奮すると背中の模様が変わるのだそうです。白地に木の枝みたいに見える模様が、薄くなったり太くなったり・・・。足を伸ばして擬態しているようです。模様はやっぱり影のつもりでしょうか。からめとった枝の下側に下側に回り込もうとして、背中の模様を撮るのに苦労しました。


この世のいきものたち、まだまだいろんなやつがいて、見たことないのや変なのや、おもしろいやつがいるんだなぁ、と思ったことでした。


さて、やまねのお話に補足。

思い出したのですが、冬眠するときのやまねについて。
彼らは、満腹したり寒くなったりで、うっかり寝ちゃうときはともかくとして、本格的に冬眠するときはほぼ同じポーズをとるようです。たくさんの例を直接見た訳ではないので断言は出来ませんが、真剣に(?)冬眠するとき、彼らは尻尾を下に敷いてその上に頭を地面に巻き込む感じで丸くなり、ほとんど毛玉の状態になります。

つまり、手足も耳もみんな畳んで体の襞と毛の中にしまい込むのです。気温が下がって零度以下になると、地面と一緒に彼らの毛の表面も凍り付いたようになります。いつか見せてもらったそんな姿の彼らは、どこに手足があるか、耳があるか全くわかりませんでした。そして、摂氏5度以上になると、外気温を感じて目の上の感覚毛(眉毛?)あたりから徐々に体温が上がり、呼吸がだんだん速くなって丸まった体がほどけてきます。

まるで、冷凍やまねを解凍するような感じ。この様子はNHKのテレビで放送されたことがあるので、ご覧になったかたもあるかもしれません。自らの生活の中に「冷凍仕様」があるなんて、まさにワンダーですよね。ほ乳類とは思えない・・・

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