さとやま暮らし

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2009年10月6日火曜日

やまねのお話し


先日の、「やまねについてのお便り」をご紹介したところ、やまねの分布などを研究されている方からもお便りをいただきまして、せっかくですのでやまねについてのお話をいただければとお願いしてみました。

以下はSさんのお便りです。
ヤマネは自分より大きい蛾とか小型の野鳥を獲物にした時など、お腹いっぱいに食べるとその場で数日寝てしまったり、急に寒くなると行き倒れて、たとえ雪上でも地面上でも休眠してしまい、家屋内に現れても人目に付いてしまう場所で眠りこける。
同じネズミ(齧歯目)目のネズミ達の方が人を警戒し、人目に付かないように行動をしているのに比べると、余りに大胆不敵で無頓着のような感じがあります。人目に付くということはヤマネの天敵の動物の目にも付くということで、格好の餌食となり当に絶滅していてもおかしくはない種のように感じます。

それが何故今まで生き延びているのか?、繁殖力もネズミに優っている訳でもなく、歯も堅果類を食べれるほど強くもなく、盲腸がなく繊維質の多いものも苦手と聞きますと、ヤマネの生存自体不思議です。でも何がしら種としての優位点や頑強さがあって、これまで生き抜いている動物だと思います。
ですから「人が守らなければならない」考えは人間の高慢・驕りでしょうし、ヤマネからしてみても「バカにしないでね!」と思われているかもしれません。

ただ現に私達人間が人間勝手な行動をして、ヤマネ達動物に迷惑をかけているのは事実です。自然に対しての謙虚さ・恐れを再認識する時代だと思います。

Sさんありがとうございました。

やまねを巡る環?・・・和?ということでわたしも今まで見てきたやまねに対する所感を・・・下記に。

わたしはもう20年以上ぬいぐるみのやまねを作っていますが、実物と自然界で偶然に遭遇したことは残念ながら一度もなく、今までに実物を見たのは訪ねた先にたまたまいた、建物に入り込んで眠っていた個体が2回ほど。ほかにやまね研究者・(現やまねミュージアム館長)湊先生による飼育個体を数頭、そして調査におじゃましてやっぱり寝ている姿の5頭ほど。
あとは画像や写真などの資料・・・ということで、実際そんなに詳しくはないのですが・・・

印象としては、そうとう変な生き物です。

わたしの印象では、彼らは「ナマケモノ」のごとく、代謝を思い切り低くして、普通の生き物が捕食者から逃れる方法=素早く逃げる・・・というのとは対局の、つまり動かない逃げないという進化を選択したのだろうと感じました。湊先生によると臭いもすごく少なくて、雪の下などに隠れると天敵に発見されにくいのだそうです。その上寝ているときは呼吸もゆっくりだし、動く気配で獲物をしとめる天敵にとっては、まさにそれを逆手にとった忍者戦法と言えるんじゃないでしょうか。

中途半端に素早く逃げるより、ほとんど動きを止めて背景に同化するほうがより効果的とも思えます。きっと彼らはそれによってこそ今まで生きてこられたのではないでしょうか。より素早く逃げられるように手足を発達させるのではなく、とりあえず眠ってゆっくり考えよう・・・
一方、起きているときの彼らは枝の下側を走り回り、あるときは昆虫を狩る狩人。枝先から幹へ飛び移る姿はこれからコウモリやモモンガみたいに空を飛ぶつもりか?と思わせるものもあり、彼らの積極的進化の可能性がまだあるようにもみえます。
こんなところが、彼らをとても変なやつと思わせる理由ですね。
人から見たらなんておまぬけなんだろう・・・という彼らの姿も、たぶん一生懸命積極的に考えた(?)結果であって、今も生きているということはたぶんそれが正しい選択だったということでしょう。彼らの生活の中で、人間は敵でないばかりか相手にする対象でもなかったんでしょうね。

だからきっと全く頓着がないのです。(もっともヨーロッパでは食用にされたみたいですが)
いずれにしても、空を飛ぶコウモリや、地中に住むモグラ、人間たちよりよほど長く地球に暮らす生き物たちの高度な進化は驚くべきものです。
人はもっと彼らを尊敬しなくちゃですね。

秋の夜長、進化の歴史を思って・・・うたた寝なんちゃって。

2 件のコメント:

  1. とつぜんお邪魔します。個人的に、やまねに興味を持っている者です。
    蓼科のホテルで、「やまね工房」さんのやまねのぬいぐるみ&白樺のおうちに、一目惚れしました。それらを購入したのをきっかけに、やまねについての本を読んだりしています。
    ほんとうに、やまねって不思議な生き物のような気がします。
    それにしましても、「やまね工房」さんのやまねのぬいぐるみは素晴らしいです。
    毎日眺めています。ありがとうございます。

    粘土で、やまねを作ったりもしてみました。
    http://www.mihokimura.com/junin/pg153.html
    http://kinounoneko.a-thera.jp/archives/200906-1.html

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  2. きのうのねこさんへ

    やまねのお話しにコメント、ありがとうございます。

    ほんとうに、やまねは不思議な生き物で、やまねを巡る人々の環もまた不思議なものです。
    以前、山で迷子になったやまねのぬいぐるみが帰ってきた、というお話もありましたし・・・
    もちろん、ほかのどんな生き物にも彼らの意志はあるのでしょうけれど、とりわけやまねにはなぜだか強い意志のようなものを感じます。
    あの背中の筋、あれも身を隠すための重要なポイントだったってご存じでした?
    前にも書きましたが、カタログ絵本の背表紙の写真を撮ってもらったとき、落ち葉の中にふと置いたら、あ~ら不思議見えなくなっちゃった!色もそうですが、背中に彼らは影をしょっているんですね。化けるぞ、姿をくらますぞ、っていう強い意志に裏打ちされた「無」の境地とでも言いましょうか・・・
    いやいや、とはいえかわいい彼ら、粘土のやまねもキュートですね。
    そこはかとなく孤高な感じも漂っているし。

    生やまねの応援隊としは、これからもたくましく生きていってほしいと切に願います。
    余計なお世話かもしれないけど・・・

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