♂のほうが小さいらしいのですが、ベランダに住んでいるのはどうやら♀で、かなり大きめです。こいつがなんと夜行性で、昼間は軒下で丸まって寝ているのですが、夕方から夜にかけてせっせと網を張り、夜ベランダに出ると直径1メートルくらいの大きな網が出来上がっています。

みなさん、蜘蛛の巣って張ったらずっとそこにあると思っていませんか?もちろん壊れたら修理はするでしょうけれど、しょっちゅう張り替えるものだとはわたしは思いませんでした。ところが、ある夏のことです。当時わたしはオニグモの存在さえ知らなかったのです。確かアブラゼミが異様にたくさん発生した夏で、そこら中で簡単に羽化が見られるので、懐中電灯を持って夜の庭を歩いたのですが、歩き始めたところで突然顔から大きな蜘蛛の巣につっこんでしまい?・・・昼間はこんなとこになかったぞ?と。

昼間は軒下で丸まって寝ている
そして、確かに昼間は何もなく、夜になってから懐中電灯を当てるとそこには巨大な巣と持ち主が!これがオニグモとの出会いでした。そして調べてわかったことは、このクモが夜行性であること、多くのクモは網を張りっぱなしではなく、昼間行動するクモは朝に、夜行性のクモは夜に新しく網を張ること、などでした。しかも、彼らは自ら張った網を取り込んでいる!というのでさらにびっくり!!
だから朝にはなかったんですね。張りっぱなしにしておくと、誰かが通って壊したり、あるいは敵に見つかりやすくなって自分が食べられたりしてしまうので、ほぼ毎日取り込んでいるというのです。しかも、これはみずからが作り出したタンパク質なので、取り込んでまた再利用!しているとのこと。もうほんとにびっくり!クモの知恵。
それで、今年ベランダにお住まいのクモ子さんを毎日のようにチェックしてみると、あれれ、今日は張りっぱなしで取り込んでいないぞ、とか今日は作るのが遅くて夜中になっちゃった、とか。あれ、今日は巣を張らないでお休みらしい、とか。これが全然一定していなくって、全くきまぐれ。考えてみれば獲物が獲れてお腹いっぱいならお休みすることもあるだろうし、今日は雨が降りそうだからやめとこ~、と思う日もあるかもしれないですよね。そんなことを考えたらいっぺんにこのクモ子ちゃんに親しみを感じて、クモ好きになっちゃいましたよ。

ひょっとしたらこのクモの観察で天気予報が出来るかも、と思ったり、こどもの頃ジグモの巣を引っ張り出して捕まえる遊びがあったな~とか。捕まえてどうする、というものではなかったんだけど、だれのジグモが一番大きいか比べたり、切れやすい巣をそっと持ち上げて中身のクモを捕まえられる子と、せっかちに引き上げて途中から切れてしまい全然捕まらない子がいたり。
そして、クモの中にはこのように網を張ることで獲物を捕まえるやつがいるかと思うと、先日のトタテグモのように待ち伏せ落とし穴みたいなワナを仕掛ける種類もあり、はては投網や投げ縄を使う連中もいるんだって!恐るべし蜘蛛!だって人間よりずっと長いことこの地球に生きているんだもんね、いろんな知恵を持っていて当たり前かも。
虫の世界、どんな種類がどこにいる、っていうことだけじゃなくて、気分で編みを張る彼らの個性を知れば、自然に対する興味を持ってくれるこどもたちがもっと増えると思うんだけど。そういう出会いも時間の余裕もなかなかないのが現実なんでしょうね。そして、こんなオニグモが住める環境がどんどん減っているというのも事実です。

このところ、裏庭にやってくるいろいろな生き物は、里山的生物多様性の見本みたいなもので、今更ながらかれらの存在を大切にしたいな、と思ったことでした。
【オニグモの網張り】
後ろの足で糸を引き、縦糸に押しつけて等間隔に糸を張ってゆきます。1メートルくらいの大きな網 ですが、1時間くらいで張るようです。体の幅を物差しにしているのか、最初中心に小さな網を張り、粗く引いた糸でおおまかな形を 作ってから外側から等間隔に糸を張ります。最後に中心の糸を切って小さな穴を作り、すべての足で網を引き寄せて中心に下向きで構 えます。

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