ハシブトガラス

 いちばん新しい作品を紹介します。



 とても身近な鳥ですが、スズメに比べるとどちらかと言えば嫌われることが多く、賢さもずる賢いというふうにとられることが多い彼らです。
それは全身が真っ黒という出で立ちや、少し大きな体格にもよるし、もともと自然界ではいろいろなものを食べる・・・例えば死んだいきものを片づける・・・という役割を担っていたことにも由来するでしょう。実際、サバンナでライオンが倒したカモシカを、ハイエナやジャッカルとともに、ハゲワシやハゲコウなどの鳥たちがついばむことによって、サバンナのリサイクルは成り立っているわけです。
だから、彼らが生ゴミをあさるのは、当然といえばあまりに当然のことなのですが・・・人間界ではなかなか、そうはいかないわけです。

 で、そのカラスにもいくつか種類がありまして、北海道や九州の一部には渡りをする少数派もいるのですが、カラスと言えば主に田舎のハシボソガラス、主に都会のハシブトガラスという2種類が代表的です。



 今回製作したのはこのうちのハシブトガラスで、名前の通りくちばしが太く体も少し大きめです。都市部に多く、公園などにも住み着いているおなじみの連中。一方ハシボソガラスのほうは、郊外の農耕地などに多く、一応棲み分けをしているらしいのですが、近年、どちらも分布を広げていて、いちがいにそうとも言えなくなってきているらしい・・・
カラスの世界もいろいろなんですね。

 ところで、このカラスたちは本来とても頭が良くて、遊び好きなんです。
忘れられないカラスの思い出をひとつ。ずいぶん前に冬の北海道東部を旅行したとき、場所ははっきり覚えていないのですが、ほとんど結氷した白鳥のいる湖(たぶん)の岸でした。数羽のカラスが同じ場所にたむろしていましたが、いかにもたいくつそうでした。
そこで、そのカラスに向かって小さな氷のかけらを投げてやったのですが、そいつはその氷を追いかけて、ちょんちょんつーっと凍った湖の上でスケートよろしく、すべって遊ぶではないですか。それからしばし、いくつかの氷を投げて、カラスのスケートに付き合ったのですが、通りすがりの人間とひまつぶしに遊んでくれるなんぞ彼らの脳みそはそうとうでっかいぞ。と思ったものです。



 初対面の野生?のいきもので、いきなり遊んでくれたのは、今までの体験ではこのカラスと、サル、野良犬、それと一瞬のヤマガラ、だけでした。
ほんとうに賢いこの鳥と、人間たち、仲良く生きられたらいいんですけどね。

 ちなみに、今回のハシブトガラス製作にあたっては、群馬県在住の陶芸家松尾昭典氏ご夫妻による、ハシボソガラスの資料がおおいに役立ちました。
松尾さん、ありがとうございました。

 この作品は、山形県酒田市の猛禽類保護センターに、イヌワシ2号とともに納めさせていただきました。


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