さとやま暮らし

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2006年8月1日火曜日

コウテイペンギン

今月の作品はコウテイペンギンです。 しかも親子と卵、できたてのほやほやです。

 前回のギフチョウたちと同じように、現在使用中なので期間限定で面会可能です。場所は上野の国立科学博物館、展示中の南極展に合わせた企画なのですが、南極展の中ではなくて「サイエンススクエア」という夏休みの科学教室で使われています。会場は別棟のみどり館、地下1階、または1階です。
 8月27日までの火曜から日曜日まで毎日(受付は当日9時45分~、各コーナー)小、中学生を対象に一日3回の講座で、南極の紹介や南極の氷、石の観察などが出来ます。その中で実際にペンギンのひなをだっこして体重を体感してもらっているそうです。
講座に参加しなくても、ちょっと離れたところからですがペンギンを見ることは出来るので、もしお出かけのときはぜひ足を伸ばしてのぞいてみてください。各講座に参加しているこども達の真剣な表情や、歓声も観察できますよ。
 コウテイペンギンペンギンの中でいちばん大きい、「エンペラー、皇帝」の名が付いた彼ら。
南極の住人(ヒトではないが)としてあまりにも有名な彼らは、直立したその姿勢により、鳥という概念からは少しはずれてユーモラスなキャラクターとしての印象が強い。飛べないし、歩くときはよちよち歩きだし。
しかし、彼らが水中をまさに飛翔するのは、近頃の某動物園でもひとつの見物になっている通り、すばらしい能力である。つまり、獣で言えばあざらしと同じくらい水中生活に適した体型をしているのである。

 これを製作するのに当たり、いちばん苦労するのはバランスだ。
ヒトと同じように2足で直立するのだが、体が垂直に立っていて、しかもかなりの体重を支えなければならない。背骨が、体の重心が両足に乗っていなければ倒れてしまう。これがなかなか難しい。
でも、実際のペンギンにも難しいらして、映像などを見ていると、彼らは結構しばしば足のほかにおしりを氷の上につけて3点で立っている。

つまりカンガルーのように、尾やしりを支えに使っているのだ。時には足の裏を前に上げて、かかとをつけているときもある。そしてこの足の上で卵を温め、ひなを育てる。なんという適応力だろう!

 とても長い時間をかけて、ご先祖の恐竜(?)から進化したのだね。
と、感動ばかりしていられない。じつはくびれのないこのようなプロポーションは、簡単なようだが、ぬいぐるみにするときはいちばん難しいのだ。
くびれが無いと全体のディティールがとりにくい上に、重力によって詰めた中身が下がってきてしまう。詰め物をするということは、ふくらませるということで、ふくらませるのは割合簡単なのだが、生地がある程度伸びるのでただただ詰めてゆくと、でこぼこの風船のようになってしまい、生き物の形にならない。
 そこで、今回は先にペンギン風の土台を作っておき、そこに皮をかぶせて、間にうすく肉を付けるという方法をとった。もちろんオトナのペンギンは本来の体重を入れたら、簡単に持ち運べないのでひなの方が重い、という結果になったのだが、きちんと立ってもらうために体の下の方には重りが少し入っている。


 ひなはふわふわの質感を重視。顔の模様は研究者の方からご意見を頂いてゴーグル模様を強調。たっぷり魚を食べて?体重は5キロ。


 卵にはいちばん苦労した。重さは450グラム。親鳥はこの大きな、たったひとつの卵を足の上で温めて大切に育てる。


 今回のペンギンに関しては、なんと言っても大きさが難関でした。
以前、上野動物園用にキングペンギンの親子を作ったことがあって、それがおおいに役に立ったのですが、キングペンギンとエンペラーでは似ているようでプロポーションもけっこう違い、特にひなは模様も全然違う(エンペラーのほうがずっとかわいい・・・キングさんごめんなさい)のです。
これを作るとき、実はごく近くからキングのひなを見せていただいたのですが、そのひなはかわいいというよりは恐かった(かみつこうとするしー)。

 ともあれ、近頃は温暖化で南極の環境も変わりつつあると聞きます。
長い間の知恵で、厳しい環境を生き抜いてきた彼らが、これから先も今までと同じように生きてゆけるように祈りたいです。

今月のメッセージ

 8月になりました。

 今年は全体的にセミの発生が遅れていたようですが、8月に入ると間もなく、いつもはしんがりを務めるツクツクホウシが元気よく何匹も鳴いているではないですか。それに遅れること1日でミンミンゼミも聞こえましたが、なんだか元気がありません。
そろそろ終盤のはずのヒグラシやニイニイゼミも、まだ聞こえますが今ひとつ勢いがありません。アブラゼミもぽつぽつ姿は見かけますが、あのジィーッという暑苦しい鳴き声がどうもあまり目立たないのです。そして、クマゼミに至っては今年はまだ一度も声を聞いていません。たかがセミなんですが、なんだか今年の夏は夏らしくありませんね。



 新聞で読んだのですが、ヨーロッパのワインの産地では、ここ数年、温暖化のせいでブドウの出来が良くないのだそうです。日本の産地でも、山梨県から標高のある長野県や緯度の高い北海道へ主な産地が移行しつつあるそうです。果樹や野菜、花なども年々暑い時期の育苗が、暖地では難しくなっています。今まで主要な生産地だったところも、いつまで同じように作れるかわからないといった感じです。その上、今年はかつてないほどの集中豪雨や、長雨、日照不足などいくつも悪い条件が重なりました。

我が家のニガウリ、キュウリなどもすっかり生育が遅れて、ようやくぽつぽつ花が咲いてきたところ。この夏、はたして収穫出来るのかあやしいところです。



 このところ世界中で気候が少し変なのは、報道などでみなさんご存じかと思いますが、種をまいたり農作業をしたり、農業に関わる仕事をしていらっしゃる方々はやはりそれを肌で感じておられるようです。これに人為的なものが関係していると断言は出来ませんし、何が出来てそれがどんな役に立つのかもわかりませんが、植物たちのコトバを少しでも理解すべく、耳を傾けたり、目をこらしたりする必要は確かに絶対あると思います。
 今年、やはり新聞記事で、北陸や東北日本海側のナラの仲間が「キクイムシ」の被害でずいぶん枯れていると報じられていました。マツクイムシもそうですが、健康な木が、健康な森の中にあれば次々にキクイムシに食われるということはないので、それがたくさん発生するということは、木が、森が病んでいるということなのです。キクイムシは言わば枯れ木を土に返し、分解を助ける役割を持ったいきものです。
 こういう森では、ほかの生き物もきっと少なからず影響を受けるでしょうし、森を通して海まで注ぐ、水の循環にもきっと影響が出てくると思います。たくさんの熊たちが里に出て悪さをし、日本海に異変があるのも、もしかしたら無関係ではないかもしれません。


 今年、気候の影響で充分な収穫がなく、お年寄りばかりの山間の農地では、それがきっかけで耕すのをやめてしまうところもあるかもしれません。地方の山間部では、70代は若いほうで、80代、90代のお年寄りが畑仕事の担い手になっているところも少なくありません。ただでさえ忘れてしまいがちな、そういう場所がとにかく今年は気になって仕方ないのです。それなら行ってなんとかせい、と言われそうですが・・・何も出来ないくせに・・・心配するだけ・・・な私です。ああ、情けない。


おまけ

 8月5日の夜9時過ぎ、犬たちのトイレタイムの折庭先で羽化を始めたアブラゼミを発見。ちょうど殻から抜け出たところで仰向けにひっくり返っていましたが、間もなく反転、くしゃっとしていた羽はものの2分~3分でしゃきっと伸び白い妖精のような姿に。途中の画像も撮ったのですが動くのでブレブレでした。 その後12時過ぎには半分ほど色が着いた状態でしたが、遅めの朝にはもう姿がありませんでした。


 
 花の上のハラビロカマキリ・・・アメリカ(洋種)フジバカマの上で、獲物を待っている2
cm足らずの狩人を発見。オオカマキリの方は4cmくらいあったので半分程度ですが、迫力あるでしょう。


 ニガウリ・・・気を取り直して伸び始めたニガウリ。よく見たら雌花の素がありました。暑いうちに収穫したいものです。