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メッセージ

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 今年の冬は、当地では珍しく寒い日が続いたせいか、少し温かくなったこの頃、 植物たちが一斉に芽を吹きました。 昨日までは気付かなかったのに、枯れ枝のような枝からいっせいに花を咲かせる マンサクや桜の木。 我が家のマンサクはイワトマンサク・・・岩戸万作と書くようですが、豊作を願う 意味のほかにまんず咲くという意味、春一番の開花を表したものとも言われて います。 青空に黄色のひもを短く切ってばらまいたような花は、地味ではありますが 春らしい花と言えます。 今年はいわゆるサクランボの木、暖地桜桃といわれる桜桃も早々と開花しました。 今年の梅は各地で開花が遅れたようですが、桜はむしろ例年より早い予想もある ようですね。  それはそうと、いっこうに姿を見せなかった鳥たちが、春の気配とともにさえず りを始めました。 イカル(駅の売店、キオスクのマークになっているくちばしの太い鳥)はコキヨ コキヨキーと鳴き、これを日、月、星と聞きなして三光鳥と呼ぶこともあるよう です。もうひとつ、夏鳥としてやって来るサンコウチョウは尾の長いエキゾチッ クな鳥でこちらはツキヒ ホシ ホイホイホイと鳴きます。 それから、シジュウカラ、ヤマガラ、エナガ、ウグイスにヒヨドリ、たまにはコ ジュケイの声も聞こえます。そして気の早いイワツバメも到着したようで、空か ら鳴き声が聞こえて来ました。 これから鳥たちも繁殖の季節を迎え、さえずりや縄張り争いでにぎやかになるこ とでしょう。繁殖といえば、キジバトは以前にも書いたように一年中繁殖してい るようですが、今度は前回の槙の木から3メートルほど離れた椿の枝の中に巣が あるようです。朝、いつものように犬たちを連れてそばを通ると、なぜか目の前 で枝を拾っていたり、見ていると枝を渡って巣の方へ移動したり・・・ 本来、鳥は巣のある場所を隠そうとするのが筋なんじゃないのか?と思うのです が、その鳩はなぜか巣の場所を私に教えたいようです。数日後、件の椿を見上げ ると、例によってお粗末な枝の固まりを透かしてキジバトの尻尾が見えました。 早速産卵したようです。 以前に何度か巣立ちを猫に襲われたり、この家のものがどちらかと言えば鳩に好 意的なのを、彼らはたぶん理解したうえで人も犬もちゃっかり利用するつもりな のだろうと疑っています。 いずれにしても、だ

やまね

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やまねは商品にもなっている、当工房の看板動物である。  一点ものの作品も何度も作った。 しかし、正直言ってなかなか満足のゆくものに仕上がらない。 ちょっとむずかしい動物である。 そもそも本物の野生のやまねに最初に出会ったのは、じつはぬいぐるみ のやまねを作った少しあとだった。  ふしぎな巡り合わせというか、それは清里の、いまではやまね ミュージーアムとして使われている建物がたしかまだ出来たばかり のころだった。 冬のはじめ、がらんとしたその建物の中でデスクの引き出しから出て来た という丸い毛玉を見せてもらった。 そこで冬眠するつもりだったのか、それともちょっと一眠りした だけだったのか、とにかくそれは丸くなって眠っていた。 とても小さくて、なによりぬいぐるみのやまねにそっくりだった。 今から考えるとあとから見た何頭かのやまねと比べて、それは幾分小振りで、たぶんその年に生まれた若いやまねだったのだろうと思う。  その後、日本のやまね研究の第一人者である湊秋作氏(現やまねミュージーアム館長)のおかげで、生きて動いているやまねや野外のやまねを実際に見せていただいたり、お話をたくさん伺う ことが出来たのだが、知れば知るほどやまねという動物は不思議な動物なのだった。 ねずみのような形をしているが、生活のほとんどを樹上でしているためか四肢は短く見た目はハムスターのようだし、普段は果実や花、花の蜜などを食べているようだが、実は昆虫も好物であってあるときは  素早いハンターでもある。 体温を下げて長い間何も食べずに冬眠し、つついても動かないくらいなのに、夏にはびっくりするくらい素早く動いて木から木へ飛び移ったり・・・・  それから、ニホンヤマネは九州、四国、本州にだけいる、日本固有の種類である。 冬眠中のやまねをじっくり観察したら、だぶだぶの皮膚のひだをポケットのようにして手足を全部隠し、体の毛が立っている上に耳もたたんでいるので目や耳や手足がどこにあるのか、一見してもわからない 完璧な防寒スタイルだった。 夏と冬の姿には大きなギャップがある。それで、これをリアルに作るのはなかなか難しい。  いくつかリアルなやまねを作るうちに、だんだん進化はしてきたのですが、とても奥が深くて、何度作っても次はまたもう少し、と考えこんでしまいます。 手