さとやま暮らし

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2006年2月1日水曜日

月の輪熊



 いつか作りたいと思っても、注文をいただいて締め切りができないとなかなか作れないものがある。
たとえば今回の月の輪熊。展示に使うなどの具体的な目標がないのに、こんなに大きなものを作ってしまっては、置く場所に困ってしまう。それからテーブルの上に載らない作品を作るのには、とにかく体力がいるのだ。そんなわけで、めったに出来上がらない月の輪熊が今回の作品です。


 実は実物大月の輪熊のオトナを作るのは2度目で、前回は子どもが乗っかってもつぶれないように・・・ということで鉄筋を入れたのだが、丈夫、ということで大人にも抱きつかれたりしてゆがんでしまい、里帰りして「筋交い」を入れるという「外科手術」のおまけ付きだった。これは今から数年前に、「田貫湖ふれあい自然塾」のオープンにあわせて作ったものだ。あれから修理の依頼は来ないが、今でも元気にしているだろうか。


 そんなわけで、今回はつぶれないようなもの・・・というか最初からつぶれている・・・というわけではないが、がっちりした骨を入れずに少しの重りと筋肉だけで作り、熊と相撲が取れるようなものにしたいと考えたのだが、なかなか難しかった・・・

 当初の考えではもう少し「開き」的なものにしようと思ったのですが、熊のディティールを大切にしたらこんな形になりました。お座りはなんとか出来ます。そのうちくたびれて出来なくなる可能性は否定できませんが。

 製作中はまさに熊と格闘の様相です。
ひっくり返したり下にもぐったり、ぬいぐるみなので綿(今回は網走産ウール)も入れるのですが、それはまさに力業です。
長い針をあちこちに刺してしまったり、糸を引く際に指が切れたり、このような大型作品は血と汗の結果ようやく生まれるのです。まあそれでも作るのはそれなりに楽しいのですけれど、仕事場にいる熊より少し小さい我が家の犬たちは、私が熊に襲われている?と思うのか、熊と遊んでいる?と思うのか、仕事を始めると吠えるのでした。

 こいつの行き先はトヨタ白川郷自然學校
教材のひとつとして活躍してくれることを祈っています。ちなみに、こちらには今年になっていくつもこのような教材作品を収めさせていただいたので、来月から続けてご紹介しようと思います。