さとやま暮らし

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2006年12月1日金曜日

アマゴとヤマメ

 これもぬいぐるみ、というのにはちょっと違和感がありますが、先月の昆虫と違って、一応糸と針で縫製して製作してあります。題材は「ヤマメ」とよく似た「アマゴ」。



 本来は西日本がアマゴ(降海型といって海へ降りて回遊ののち遡上するものをサツキマスという)、東日本にヤマメ(同サクラマス)という分布の棲み分けがあるのですが、近年人工的な放流で分布はかなりめちゃくちゃらしいです。
見た目の違いは、アマゴのほうの体がいくら赤みを帯び、赤色の斑点がちらばっている、というところで、そのほかはとてもよく似ています。
ともにサケ科の魚で、背中の後方に小さなアブラビレと呼ばれる鰭を持ち、最大で40㎝くらいになります。体側にあるパーマークと呼ばれる模様も、サケ科の魚が幼魚のうちに持っているものです。
 先月、「いきものつながりアート展」のDMハガキに、わたしはこのヤマメと、アカネズミ、そしてヤンバルクイナの写真を載せたのですが、一緒に展示をした 仲間と、モチーフが重なっていたため、作品はそれぞれ絵画、カービング、フィギュア、ステンドグラス、ぬいぐるみと、表現方法が異なるのにもかかわらず、 どれが誰の作品か、判断が難しいということもあったようです。
ちょっと不親切かも知れませんが、これをクイズにして当てっこで盛り上がったり、話題の提供になったのはかえって面白かったかな、と思います。
ちなみにステンドグラスのヤマネ、絵画のフクロウひな、ぬいぐるみのヤマメで混乱する方が多かったようです。



 さて、魚の製作方法ですが、これは大変手間がかかります。
まず、すべての鰭・・・ヤマメの場合は胸、腹が各1枚、尻、背、尾、アブラが各1枚で、これが裏表2枚ずつ、合計16枚、胴体2枚と頭、腹、口の中、各1 枚、えらぶた内側2枚の7枚を裁断、これを必要なものは裏表縫い合わせてから表に返し、鰭は各平らに伸ばしてステッチをかけ、それから胴体にそれぞれをは さんで縫い合わせます。



 これで形になったら表に返し、中心にワイヤーを入れて表面がでこぼこにならないようにウール綿を入れ、最後にえらぶたやつなぎ目の部分に針を入れて塞いだ り、補強したり、縮めたりします。そして、目を取り付け(サケ科の魚ってどれも目の位置がとても前の方についているのですが、これは生きた獲物を捕まえて 食べるせいでしょうか)、ここまでで前半の白い魚が出来上がりです。そのあと、これに立体絵画よろしく着色をします。
ところが素材がシルクで発色は良いものの、水分が多いと滲むし、布自体の吸い込みがいいので乾くと薄くなってしまい、塗っては乾かし・・・をだいたい5回くらい繰り返さないとそれらしい色になりません。



 こうやって苦労して出来上がると、シルクの肌に魚の皮膚が再現されて生っぽい魚がほんとうに泳いでいるみたいに見えるのは不思議です(ちょっと手前みそ♪)。
そしていつも思います。神の造型恐るべし、どうしてこんな色、形になったのだろう!

2006年11月1日水曜日

オオカマキリ

 これは厳密に言うとぬいぐるみではありません。なぜなら針も糸も使っていないし、縫い合わせていないからです。



 でも、布を使って中身をくるんでいるところは同じです。素材はシルク・・・着色しても発色が良いのと、つるっとした質感とで昆虫や魚を作るときよく使います。
関節で上手に曲げる必要があるので、中心には細いワイヤーを入れます。
それから紙や布で薄く肉を付け、その上からシルクを貼って形を整えるのです。足は関節ひとつごとに先の方から作ります。カマキリは、足も細くて繊細なのでそれを表現するために今回は1.5倍ほどに拡大しました。
いちばん苦労したのは頭の上の触覚です。とても細く、糸では太すぎるのでシルクの布の繊維をほどいて使いました。そのままでは柔らかすぎるので接着剤で補強します。
お腹の節も、ひとつずつ布を折り返してきちんと作ります。そして、羽の内側にたたんでいる後ろ羽の部分は、オーガンジーという薄い素材で作りました。薄いので、きちんとたためば本物と同じように前羽の下に隠れてしまいます。

 これら昆虫はひとつひとつ部品を作り、足や胴体を順番につなげてはじめに白生地のままの昆虫を作り、それから顔料系の絵の具で着色して仕上げます。色を付 けるときはまるで立体塗り絵です。あちこち、いろいろな角度から見て、生きているように見えたらいいなと思いながら着色します。そして最後に関節を本物と同じように曲げ、テーブルの上に置いたら・・・ 今にも動きそう、でしょう。

 本物よりはかなり大きいけど、なんだかこんなのいそうだし、これを見てびっくりする人の顔を想像すると何だか楽しい。
しかし、とにかく手間がかかって簡単にはできません。自然の造型ってすごいなあ、と改めて感じます。





 このページでご紹介している一点製作のぬいぐるみ作品は、落合けいこが全て1人で製作している作品でありショップで販売しておりません。又、お客様からのオーダーによる製作は現在受け付けておりません。ご了承願います。

2006年10月1日日曜日

アカネズミのお囃子隊

 今回は「いきものつながりアート展」で、コラボレーションに参加したアカネズミのお囃子隊をクローズアップしてみます。

 じつはこのアカネズミたちは新作ではなく、数年前、新潟の高柳町で狐の夜祭りに合わせて作ったお囃子と、お神楽、奉納相撲の一隊です。



 以前はちょっとしたストーリーに合わせて、ねずみたちがお祭りをし、ほかの動物たちが見物する、というものでした。今回、ねずみたちをよりリアルに、指の動きも本物に見えるように少し手を入れました。




 よりリアルにするために、かわいらしく見えた目を一回り小さいものに、代わりにちょっとアイラインを入れたり、お化粧もしました。そして、お面をかぶせた りバチを持たせたり、まわしを付けたり・・・でも、それらをはずせば、森の場面でどんぐりを集めたり走り回ったりしても少しも違和感のない、ただのアカネ ズミに戻ります。
 そして、今回の共演はほぼ実物大のカケスやリス、そしてネズミの天敵とも言えるテンです。


 秋の森へ出かけたら、月夜の晩にはほんとうに彼らがお祭りをしているかもしれない。そんな気分になりませんか?

2006年9月1日金曜日

ヤンバルクイナとオオコウモリ

 去年のはじめ、友人で絵描きの大田黒さんから、思わぬお誘いを受けました。
それは、絵描きさんを中心に、数人のグループでヤンバルクイナの生息する沖縄北部を訪ね、作品に仕上げて展示をするというもので、それ自体を危機的状況にあるヤンバルクイナを知ってもらうキャンペーンにしたい。というものでした。大田黒さんと、お知り合いのI氏が企画されたもので、名付けて「やんばるアートプロジェクト」。
このための必要経費(旅費など)は、スポンサーを募集して出資してもらい、後日展示を終えた作品をスポンサーにお渡しする、という画期的なプランです。
 作家は作品を提供するかわりに、なかなか自分では出かけられないやんばる地方の取材を経費をかけないで出来る、また、それが結果的にヤンバルクイナの役にたつかもしれない、というまたとない機会です。その上、実際地元でヤンバルクイナの保護活動をされている方々に、直接森を案内していただいたり、彼らの現状についていろいろお話を伺ったりできる。なんだか夢のような企画でした。
それではじめは半信半疑(ごめんなさい)だったのですが、日程が決まり、あれよあれよという間に5月になって、やんばるアートプロジェクトツアーは実施されたのでした。
それはほんとうに貴重な体験でした。



 地元の方々にすれば、ここ数年のあいだにかなり変わってしまったというその場所、ヤンバルクイナの声を聞きながら眠り、オオコウモリの群れる木を眺め、太古の昔をるような大きなシダが茂る森を歩き・・・ しかし、同時にいまこの地が抱える様々な問題も同時に知ることになりました。この北部へ来るまでの道すがら、途中の森ではマング-スの北上によって、昆虫や鳥たちがいなくなってしまったために、音のしない静かな森になってしまったこと、ヤンバルクイナの生息地のすぐ近くまでマングースが北上していること。また、やんばるの森の中まで舗装道路が通っていて、クイナが子育てをする季節は交通事故がとても多いこと。実際滞在中の4日間に2羽の成鳥が犠牲になったこと。ほかにも、道路脇の側溝に落ちて、ひなやそのほかの小動物がしんでしまうことなど。
そんな側溝のわきをパトロールする人たちがいて、命拾いするひなや小動物もいる。それはごく一部かもしれないけど、考え続けるひとたちが地元にいてくれる、というのは一つの希望です。ほかにも、沖縄が抱える様々な問題、基地のこととか、やんばるの森も今はうっそうと茂っているけれど、これは実は二次林で、よく見るとあちこちにひとの痕跡があり、かつての戦争ではここは最後の逃げ場だったことなど。短いあいだでしたが、これは貴重な体験であると同時に、わたしの気持ちの中に何かの種をまいた出来事でした。



 この旅でいちばんの収穫は、やはりひととの関わりでしょうか。
普段ひとりで仕事をすることが多い中、何人もの作家さんたちと、大好きな生き物を観察することができ、また、地元の人たちも含めてそれを共有することが出来たというのは、すばらしい体験でした。沖縄の方々のやんばるの森への思いを知り、また手弁当でこのプロジェクトに関わり、案内やお世話をいただいたり、お仕事の合間に各地で展示をして下さったりと、その「ちから」に感心したり頭が下がったり。これはかつてI氏が沖縄にお住まいで、そのお仲間との連携で初めて実現したというのはあとで知ったのですが、まさに感動ものでした。そして、それを何より物語るのは、このプロジェクトに参加した作家のご一家が、今年、やんばるに移住された、という出来事でしょう。

 今日現在もやんばるの森には、ヤンバルクイナをはじめとした様々な生き物たちが住まい、また彼らをこれ以上の危機にさらさないために、日々戦う熱いひとたちがいます。




 作品「ヤンバルクイナ」と「クビワオオコウモリ」は10月の大崎での展示に出品予定です。
クイナは2体あって、1体はスポンサーのI氏のところへ、もう1体は沖縄でお買い上げいただいて、今はたぶんやんばるにいます。このうちI氏がお持ちの一体をお貸しいただけるとのことで、大崎でみなさんにご覧いただければと思っています。オオコウモリの方は沖縄から帰ってきた2体を持って行く予定です。
オオコウモリはちょっと高価になりますが、販売もする予定です。


2006年8月1日火曜日

コウテイペンギン

今月の作品はコウテイペンギンです。 しかも親子と卵、できたてのほやほやです。

 前回のギフチョウたちと同じように、現在使用中なので期間限定で面会可能です。場所は上野の国立科学博物館、展示中の南極展に合わせた企画なのですが、南極展の中ではなくて「サイエンススクエア」という夏休みの科学教室で使われています。会場は別棟のみどり館、地下1階、または1階です。
 8月27日までの火曜から日曜日まで毎日(受付は当日9時45分~、各コーナー)小、中学生を対象に一日3回の講座で、南極の紹介や南極の氷、石の観察などが出来ます。その中で実際にペンギンのひなをだっこして体重を体感してもらっているそうです。
講座に参加しなくても、ちょっと離れたところからですがペンギンを見ることは出来るので、もしお出かけのときはぜひ足を伸ばしてのぞいてみてください。各講座に参加しているこども達の真剣な表情や、歓声も観察できますよ。
 コウテイペンギンペンギンの中でいちばん大きい、「エンペラー、皇帝」の名が付いた彼ら。
南極の住人(ヒトではないが)としてあまりにも有名な彼らは、直立したその姿勢により、鳥という概念からは少しはずれてユーモラスなキャラクターとしての印象が強い。飛べないし、歩くときはよちよち歩きだし。
しかし、彼らが水中をまさに飛翔するのは、近頃の某動物園でもひとつの見物になっている通り、すばらしい能力である。つまり、獣で言えばあざらしと同じくらい水中生活に適した体型をしているのである。

 これを製作するのに当たり、いちばん苦労するのはバランスだ。
ヒトと同じように2足で直立するのだが、体が垂直に立っていて、しかもかなりの体重を支えなければならない。背骨が、体の重心が両足に乗っていなければ倒れてしまう。これがなかなか難しい。
でも、実際のペンギンにも難しいらして、映像などを見ていると、彼らは結構しばしば足のほかにおしりを氷の上につけて3点で立っている。

つまりカンガルーのように、尾やしりを支えに使っているのだ。時には足の裏を前に上げて、かかとをつけているときもある。そしてこの足の上で卵を温め、ひなを育てる。なんという適応力だろう!

 とても長い時間をかけて、ご先祖の恐竜(?)から進化したのだね。
と、感動ばかりしていられない。じつはくびれのないこのようなプロポーションは、簡単なようだが、ぬいぐるみにするときはいちばん難しいのだ。
くびれが無いと全体のディティールがとりにくい上に、重力によって詰めた中身が下がってきてしまう。詰め物をするということは、ふくらませるということで、ふくらませるのは割合簡単なのだが、生地がある程度伸びるのでただただ詰めてゆくと、でこぼこの風船のようになってしまい、生き物の形にならない。
 そこで、今回は先にペンギン風の土台を作っておき、そこに皮をかぶせて、間にうすく肉を付けるという方法をとった。もちろんオトナのペンギンは本来の体重を入れたら、簡単に持ち運べないのでひなの方が重い、という結果になったのだが、きちんと立ってもらうために体の下の方には重りが少し入っている。


 ひなはふわふわの質感を重視。顔の模様は研究者の方からご意見を頂いてゴーグル模様を強調。たっぷり魚を食べて?体重は5キロ。


 卵にはいちばん苦労した。重さは450グラム。親鳥はこの大きな、たったひとつの卵を足の上で温めて大切に育てる。


 今回のペンギンに関しては、なんと言っても大きさが難関でした。
以前、上野動物園用にキングペンギンの親子を作ったことがあって、それがおおいに役に立ったのですが、キングペンギンとエンペラーでは似ているようでプロポーションもけっこう違い、特にひなは模様も全然違う(エンペラーのほうがずっとかわいい・・・キングさんごめんなさい)のです。
これを作るとき、実はごく近くからキングのひなを見せていただいたのですが、そのひなはかわいいというよりは恐かった(かみつこうとするしー)。

 ともあれ、近頃は温暖化で南極の環境も変わりつつあると聞きます。
長い間の知恵で、厳しい環境を生き抜いてきた彼らが、これから先も今までと同じように生きてゆけるように祈りたいです。

今月のメッセージ

 8月になりました。

 今年は全体的にセミの発生が遅れていたようですが、8月に入ると間もなく、いつもはしんがりを務めるツクツクホウシが元気よく何匹も鳴いているではないですか。それに遅れること1日でミンミンゼミも聞こえましたが、なんだか元気がありません。
そろそろ終盤のはずのヒグラシやニイニイゼミも、まだ聞こえますが今ひとつ勢いがありません。アブラゼミもぽつぽつ姿は見かけますが、あのジィーッという暑苦しい鳴き声がどうもあまり目立たないのです。そして、クマゼミに至っては今年はまだ一度も声を聞いていません。たかがセミなんですが、なんだか今年の夏は夏らしくありませんね。



 新聞で読んだのですが、ヨーロッパのワインの産地では、ここ数年、温暖化のせいでブドウの出来が良くないのだそうです。日本の産地でも、山梨県から標高のある長野県や緯度の高い北海道へ主な産地が移行しつつあるそうです。果樹や野菜、花なども年々暑い時期の育苗が、暖地では難しくなっています。今まで主要な生産地だったところも、いつまで同じように作れるかわからないといった感じです。その上、今年はかつてないほどの集中豪雨や、長雨、日照不足などいくつも悪い条件が重なりました。

我が家のニガウリ、キュウリなどもすっかり生育が遅れて、ようやくぽつぽつ花が咲いてきたところ。この夏、はたして収穫出来るのかあやしいところです。



 このところ世界中で気候が少し変なのは、報道などでみなさんご存じかと思いますが、種をまいたり農作業をしたり、農業に関わる仕事をしていらっしゃる方々はやはりそれを肌で感じておられるようです。これに人為的なものが関係していると断言は出来ませんし、何が出来てそれがどんな役に立つのかもわかりませんが、植物たちのコトバを少しでも理解すべく、耳を傾けたり、目をこらしたりする必要は確かに絶対あると思います。
 今年、やはり新聞記事で、北陸や東北日本海側のナラの仲間が「キクイムシ」の被害でずいぶん枯れていると報じられていました。マツクイムシもそうですが、健康な木が、健康な森の中にあれば次々にキクイムシに食われるということはないので、それがたくさん発生するということは、木が、森が病んでいるということなのです。キクイムシは言わば枯れ木を土に返し、分解を助ける役割を持ったいきものです。
 こういう森では、ほかの生き物もきっと少なからず影響を受けるでしょうし、森を通して海まで注ぐ、水の循環にもきっと影響が出てくると思います。たくさんの熊たちが里に出て悪さをし、日本海に異変があるのも、もしかしたら無関係ではないかもしれません。


 今年、気候の影響で充分な収穫がなく、お年寄りばかりの山間の農地では、それがきっかけで耕すのをやめてしまうところもあるかもしれません。地方の山間部では、70代は若いほうで、80代、90代のお年寄りが畑仕事の担い手になっているところも少なくありません。ただでさえ忘れてしまいがちな、そういう場所がとにかく今年は気になって仕方ないのです。それなら行ってなんとかせい、と言われそうですが・・・何も出来ないくせに・・・心配するだけ・・・な私です。ああ、情けない。


おまけ

 8月5日の夜9時過ぎ、犬たちのトイレタイムの折庭先で羽化を始めたアブラゼミを発見。ちょうど殻から抜け出たところで仰向けにひっくり返っていましたが、間もなく反転、くしゃっとしていた羽はものの2分~3分でしゃきっと伸び白い妖精のような姿に。途中の画像も撮ったのですが動くのでブレブレでした。 その後12時過ぎには半分ほど色が着いた状態でしたが、遅めの朝にはもう姿がありませんでした。


 
 花の上のハラビロカマキリ・・・アメリカ(洋種)フジバカマの上で、獲物を待っている2
cm足らずの狩人を発見。オオカマキリの方は4cmくらいあったので半分程度ですが、迫力あるでしょう。


 ニガウリ・・・気を取り直して伸び始めたニガウリ。よく見たら雌花の素がありました。暑いうちに収穫したいものです。                          

2006年7月1日土曜日

夏休み企画(イベントのご案内)

   

 夏休みの企画でイベントの会場にちょっとした展示をしたのでお知らせします。
場所は幕張メッセ、期間は7月15日(土)~9月10日(日)「世界の巨大恐竜博2006」といっても恐竜を作ったわけではなく・・・

 この会場の出口の近く、特別協賛の企業ブースとしてTOYOTA「トヨタ白川郷自然學校」のブースがあります。
この中に白川郷の自然を象徴する、秋のミズナラの森と春の芽生え、ギフチョウを展示しました。どういうふうに展示できるか少し悩みましたが、登場するミズナラのドングリ、リス、アカネズミ、ヒメネズミ、カタクリの花、ウスバサイシン、そしてカタクリの実と小さなアリ・・・これらをすべて形にして、スペース一杯に林床の物語を表現することが出来ました。

 たまたまカタクリの花や、リス、ネズミたちが手元にあったので、それらを少しリフォームして、ドングリと芽生え、ギフチョウ、ウスバサイシン、カタクリの実、そして一番苦労した小さなアリ、は今回新たに作りました。
カタクリの実は今まで作った作品?の中で一番小さいもので、じつはその実をアリがくわえて運んでいます。



 これも自然學校さんのリクエストがなかったらたぶん作ることはなかったでしょう。
とてもいい経験でしたが、いやー目が・・・肩こりが・・・

 苦労して作ったので、とても小さいのですが(アリは全長約2センチ)もしも恐竜博に
お出かけの際は是非是非、目をこらして見てやってくださいまし。

庭仕事・庭遊び

 今月は、この季節に開花する花たちを紹介しながら庭のお話しをしましょう。

 梅雨が明け、日射しの強くなるこれからの季節は、植物の生長がもっとも著しい頃ですが、作業としては一休みといったところでしょうか。
これから、伸びた新芽が日に日に緑を濃くし、太陽の光を吸収して蓄え、来年の花や新芽をつくる大切な季節。それをだまって見守るのが仕事みたいなものです。
伸びすぎた枝を少しつまんだり、乾いたら水をかけたり・・・
もっとも晴天が続くと毎日の水やりがかなり重要で骨の折れる仕事になります。水道の水を使うのには抵抗があるので、時々夕立などで一雨降ってくれるととても助かります。


白花ネムのご紹介
 10年くらい前に苗木を購入して、最初は鉢植えだったのだが大きくなりすぎてそのまま地面に根付いてしまったもの。初夏から盛夏まで毎晩6時ごろに、こんぺいとうのようなつぼみから純白の糸のようなおしべが球形に広がって、甘い香りを漂わせ、翌朝にはしぼむ。原産地はどこかわからないが、南方系らしく、冬の寒さで少し痛む。沖縄にたくさんあった銀ネムによく似ている。
 畑に植えた植物たちはそれなり根が深く張るので、一日二日水をかけなくても枯れることはないのですが、これからの季節、鉢に根が回ったもの(鉢いっぱいに成長したもの)はたった一日水を忘れただけでかりかりに乾いてしまい、あわてて水に浸けてもそのまま復活出来ないこともあります。

 一方、一部の球根などは夏の間かりかりに乾かして、一滴の水も与えず放っておいても、秋涼しくなると勝手に発芽して花を咲かせる強者もいます。
それは、はっきりした雨期と乾期がある地域原産の植物で、原種のシクラメンや南アフリカ出身の球根植物などです。これらの植物はこの暑い季節にうっかり水を与えると、球根が腐ってしまいそのまま枯死してしまうこともあります。
特に人が栽培しやすいように改良していない、いわゆる原種の植物には、このように様々な性質があって、それを人々が栽培し続けるうちに、たとえば日本ではこれは春植え球根、とかこれは秋植え球根、春まき一年草などと分類して誰でも栽培出来る方法が普及しているのです。

 そんな球根植物でも、ほとんどの種類は種子を付けるので、じつは種をまいても花を咲かせることが出来ます。たとえばラッパ水仙やグラジオラス、ダリアなどは、球根を植えるのが一般的ですが、私はこれらを種から育てています。




 また、ヘレボラス(クリスマスローズ)やヒューケラ(ツボサンゴ)、ホスタ(ギボウシ)などの宿根草も、花を咲かせるまでに時間はかかり、親株と全く同じものが育たない可能性はありますが、種から立派に花を咲かせられるのです。

それで、私の庭ではこれらはほとんど種から育てたものです。
春に花を咲かせる彼らを種から育てるのには、まず初夏に熟す種を自然にこぼれ落ちてしまう直前に、回収して保管することです。
とくにヘレボラスなどは、種子が完全に乾燥してしまうと休眠したり腐ったりしてしまうので、集めた種子はしばらく地中に埋めておき、夏の終わりに取り出してまく、という管理が必要になります。

 種は地中で湿った状態で暖かい季節を数週間過ごし、それから寒い季節を経て発根、早春に発芽、という生育パターンを持っているので、発芽して伸び始めるのは翌年の春です。秋植えの球根植物なども概ねこのパターンで発芽します。そしてその年は短い春の間にほんの少し成長し、夏は休眠、ないし成長を休むので、初めのうちはちっとも大きくならず、開花までには早くても2~3年、水仙などは5~6年から10年くらいかかるものもあります。
しかし、開花した花は様々なバリエーションがあったり、中には親株より立派な花を咲かせるものもあって、毎年開花の時期はわくわくします。
それで今年も収穫した何種かの種を、夏の終わりには忘れずにまいてみようと思っています。

皆さんも是非、球根や宿根草の種、機会があったらまいてみてください。




メッセージ



 長い雨の季節が終わり、真夏の太陽が照りつけるころとなりました。
日照が少なく、4月5月には無事育つか危ぶまれたニガウリの苗が、一日に10cm単位で成長しているように見えるこの頃です。
 しかし、例年6月の半ばには鳴き始めるセミが今年はさっぱり聞こえません。
7月の10日になってから、ようやくヒグラシの弱々しい声を聞きましたが、たいていヒグラシと前後して最初に出てくるニイニイゼミの声は、今年まだ聞いていません。
冬の寒さが厳しくて越せなかったのか、春からずっと温度が低めだったのでまだ出るのは早いと躊躇しているのか・・・
10年ほど前の冷夏の年に、アブラゼミがほとんど鳴かず、静かな夏だったことを思い出しました。今年は7月になってから温度がけっこう高めなので、関東周辺では冷夏ということはないと思いますが、湿度も高く、去年のように30度以上の日が連日続いたら過ごしにくい夏になるなあと少し心配しています。

 この梅雨には、九州など西日本では連日の大雨で被害も出ているようですし、近頃の季節の変化は例年通りとはゆかず、農業など天候に左右されるお仕事は大変だろうと思います。以前、北海道ではカッコウが鳴いたら豆をまく、という話を聞いたことがあるのですがこうなってくるとそういう生物指標が重要かもしれません。
彼らは別にカレンダーを見て行動している訳ではないので、暖かい年には早く、寒さが残る年にはゆっくりと渡ってくるわけです。



 カエルの産卵も、比較的気候変動の少ない地方でも、年によって1月の初めだったり、3月にずれ込んだり、2ヶ月以上の幅があるのですからカレンダー通りに衣替えする人間のほうがナンセンスかもしれません。
もっとも、人間のそれも最近はあまり明確ではなく、冬にノースリーブの方もいらっしゃいますが。春の早いうちならば、このように2ヶ月の幅があっても何とか取り返しがつくのですが、今年のセミのようにあまり遅れて出て来た日にはたぶん順番がくるって各種一斉に鳴くことになるんでしょう。もしも寒さが早くやってくれば天寿を全う出来ない連中もいるかもしれません。

 さて、今年のニガウリはこれから順調に生長して収穫出来るのでしょうか。
それはまだわかりません。お天道様だけが知っています。

2006年6月1日木曜日

すずめ


 いつでも近くにいると思っていた彼らが最近少し減っているらしい。 今年は特に北海道で大量死したことが新聞などで報道されていた。 元々彼らは稲作にとって、稲穂をついばむ敵とも言える存在。それでも人々は彼らをいろいろな方法で追い払いつつ、落ちこぼれる穀物を拾わせて今まで共存してきたのだ。時には簡単な罠で捕まえ、食卓に登ることもあったらしいし。だから、私たちにはとても身近な鳥なのだが、その割に私たちは本当の彼らの姿をよく知らない。

 例えば一年中身近に居着いているかと思えば、けっこう季節で移動していたり、以前は家の周りにけっこう雀の巣があったものだが、最近の家は巣作りしにくい構造になっているのか、かえってシジュウカラや、当地ではイソヒヨドリなんかのほうが家の周りで巣作りをしている。

 それから彼らの顔をきちんと思い浮かべられる人はどのくらいいるだろうか。なんとなく茶色の小鳥というイメージはあっても、細かい特徴はなかなか思い出せないもの。そしてよく見ると一口に茶色といっても、背中には黒いうろこ模様があるし、お腹は明るいグレーだし、顔の模様は1羽づつ違うらしい。

 そんなわけで、作るのはけっこう難しい鳥です。
やっぱりすずめはいつも群れでいる印象があるので、一羽だけぽつんといるのはちょっとさびしい感じがします。

 

 もちろん一羽で見ても意外ときれいな鳥なんだけど、やっぱり何羽かでおしゃべりしてるのがすずめらしいでしょう。


これは以前、新潟の高柳町で展示をしたときに、さとやまの生き物ということで作ったもので、いまでも何か展示のときに働いてもらうのに、うちの小さな段ボール箱の中で仲間と一緒に眠っています。

 さとやまの風景とともに、そこにいた当たり前の生き物がいつのまにか姿を消してしまうこの頃、すずめたちにはそんなことがありませんように。

 本来ならば初夏のこの季節、夏へ向けての作業がいそがしいはずなのですが、何だか今年は気乗りがいまひとつ。

パンジーの種を整理して冷蔵庫へ入れる作業も、天候のせいで種採りがうまくいかなかったことが影響してまだ終わっていないし、夏野菜の苗は半分がやっぱりうまく育たず枯れてしまいました。
それでも早く植え付けしたほうがいいのはわかっているのですが、なんだか手がつかないこのごろで
す。
とはいえ、こんな季節によろこんで花を咲かせてくれる連中もいるもので、眺めていると少しは気が晴れます。


 とくにあじさいの仲間、今年小さなポットに入ったたくさんの種類を、ひょんなことからいただきました。小さいポットなので花が咲くとは思わなかったのですが、植え替えをさぼっているうちにそのうちのいくつかにつぼみが現れて、小振りながら花を咲かせました。日本原産の彼らは、山の中などに自生していたのを、趣味家の人などが持ち帰り、挿し芽などで増殖して市場に出回ったものです。
変わった花色や八重咲きなど、いかに目立つとはいえこれを山の中で発見するのはなかなか大変なことです。


 あと、バンマツリという植物をご存じの方はどれくらいいらっしゃるでしょうか。
びっしり葉を付ける低木なのですが、初夏から秋ぐらいまでぽつぽつと、薄紫の花を咲かせ、それが日が経つにつれて白く変色してゆくので、まるで2色の花を咲かせているように見えます。冬の間は生長が止まるので、初夏にはいっせいにびっしりと花を咲かせ、それがとても良い香りを放ちます。
我が家ではこれを生け垣のように植えてあるのですが、小さなつぼみが開き始めるといっせいに咲き、突然良い香りのする明るい花園が出現したようで、目を奪われます。もっとも、花のあと、旺盛に伸びる枝はびっしり葉をつけるので、うっかりすると、隙間なく茂ってほかの植物を負かしてしまいます。ですから花のあとは目の敵に刈り込みされる運命なのです。

 ああ、さぼっているうちに梅雨になってしまいそうです。
早いとこ植え替えや刈り込みなど、済ませなくっちゃ。もう蚊やブユがうようよいるので、完全武装して。週末のお天気やいかに・・・・

メッセージ

 5月はほんとうに曇天の多い一ヶ月でした。まるでもう梅雨みたいな・・・6月になって、もう梅雨明けかしらと思うような雷が鳴りましたが、じつはこれから梅雨に入るのだとか。ほんとに?

 夕方になると少し寒いくらいだし、時々雨があるので植物の水やりなどはかなり楽なのですが、相変わらず植物の元気はいまひとつだし、木に止まった毛虫がそのまま死んでいたり、虫や小鳥のひなたちも大変だろうなーと思うこの頃。5月に一度朝ひなたぼっこをしているヤモリを見ましたが、トカゲやカナヘビはまだ一度も見かけていません。
ホトトギスやサンコウチョウなど、夏鳥の声は相変わらず時々聞こえます。
ウグイスやメジロ、スズメなどもどうやら雛を連れて来ているようです。
この季節はただでさえ雑草がすぐに伸びるのですが、雨のせいかみんなひょろひょろして、丈ばかり高くなっています。

池もどきのヤマアカガエルおたまたちはもう足が生えて、まもなく上陸というところでしょうか。上陸しやすいように、おみやげでもらった陶器の浮きガエルを火鉢の池もどきに入れてみました。


 火鉢は縁のところがかなり広いのと、水深が深いのとでカエルは産卵しないのですが、高密度、酸欠を少し解決してやろうと、おたまじゃくしを分散させるときに、今年はここにも少し入れてみました。ヤマアカガエルの子ガエルはかなり跳躍力があるので、いったん上陸する場所があればここから脱出することは可能だと思われます。皮肉なことに、今年は卵塊が一つしかなかったことと、早めに分散させたので、どの容器のおたまもまるまる太ってたくさんの卵が産まれた年より、カエルになる率がいいような感じです。

 

 ときどきヒバカリが運の悪いおたまを捕まえに来ますが、小指ほどの太さしかない小さな蛇のこと、数匹のおたまで満腹することでしょう。
そして健康で元気なおたまたちは蛇に食べられる前にカエルになって飛んでいってしまいます。

一方、アオガエルはといえばしばらく雨がないと沈黙。歌声にさそわれてやって くる♀はいなかったとみえて、今年も産卵はないようです。

 今年の冬は寒かったので、早く暖かくならないかと待ちこがれたものですが、も うすでに初夏。年々季節の移ろいがはっきりしない傾向は強くなり、気のせいか 一年が過ぎるのがどんどん早くなるような・・・ん、ひょっとして年のせい?
ま、いいか。

2006年5月1日月曜日

ヤママユ


 前回に引き続きちょっときもわるの虫くんです。小学生のころ、母方の田舎である新潟の豪雪地方で、そのころまだ養蚕をしていた親戚の家からいとこが「繭」をいくつかもらってきた。今から思えばきっと「不良品」だったのだろうが、その繭は普通繭よりちょっと大きないわゆる「二つ玉」で、中には2匹のカイコガが蛹を作っていた。その中から2つの繭をもらって帰った私は、母の昔取った杵柄と二人三脚で養蚕のまねごとをしたのだった。 もっとも、翌年にはカイコがもっと増えて、桑の葉を集めるのに確か父の手も借り、出来上がった繭を煮て「真綿」を作る段になると、母が本気で取り組んでいたような気もするが・・・なんだか2~3年はそうやって自家養蚕をしていた記憶がある。繭を煮て、出てきたさなぎは池の鯉が食べ、おかげで鯉たちはぶくぶくの肥満体だった記憶がある。
 日本ではこのさなぎを人の食用にはしないのだが、なんでも韓国ではこれを甘栗のように炒って露天で売っているそうな。いつかさくらももこさんの書いたもので読んでびっくりしたものだが、たしかに♀の蛹は卵がいっぱいで栄養がありそうだ。私はちょっと食べられそうにないけど。
そう、その当時はたしかにカイコを素手でつかめたし、毎日世話をしているうちにちょっとかわいくも思えたのだった。
カイコの方も長年人に飼われて慣れているのか、さわっても身をよじって嫌がるそぶりなど見せず、おとなしいというかおっとりしたものだった。
でもやっぱり、そんなカイコでもオトナになったら(私が)きもわる。
小さくてもそれなのに、えーっ拡大するの?は前回と同じ。
で結果はこの通り。
 カイコは小学生の時に飼っていた記憶が少しあったのと、ヤママユのあとに作ったのでいくらか楽でした。
素材も乳白色のフェルトがピタリだったし・・・本当は触ったときのひんやり感が出せるともっと良かったのですが、見た目の質感はほぼ当たっていると思います。縮小してみると本物みたいだし。


実際はヤママユと同じく50センチ程度あるのですが、画像で見るとなんだか大きく見えないですね。
きっと記憶の中に大きさが概念としてあるので、大きく見えにくいのかもしれません。縮小するとけっこうなんでもかわいく見えるのですが、拡大するとバランスが難しくて、まとまらないものが多いです。
今回、苦手な虫で、なおかつ拡大という難題でしたが、おかげさまで虫、拡大の面白さに少し目覚めてしまった感じです。
機会があったらまた作ってもいいかな、なんて。
これは前回のヤママユとともに白川郷自然學校の教材として使われています