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二月はいちばん寒い月、とはいえ日一日と日暮れは遅くなり、どことなく日差しも強く感じるこのごろです。 例年、庭の「池もどき」ではこの季節、ヤマアカガエルの産卵が始まるのですが、今年はなんだか少し変です。寒さの中、ふっと緩んだ寒気と湿った空気が帯のように漂って来る、そんな晩にはたいてい少しくぐもったカエルの鳴き声がお約束のように聞こえてきます。そして翌朝、池もどきの中に私はたいていゼリーに覆われた黒いつぶつぶを発見するのです。 翌日か翌々日には薄氷が張る寒気が戻ってきたとしても、やがてはあたたかい、湿った空気のほうが常駐し、寒気はときどき戻ってくるだけになると、カエルたちは知っているのですね。 ところが今年は、何度も鳴き声を聞くのに、朝「池もどき」の中はかき回された浮き草がただよっているだけで、卵の姿はないのです。なにが起こったのだろうか。気候の変動が激しくて、カエルはちょっと迷っているだけ、もう少したったらなにごともなく、いつものように黒いつぶつぶが見つかるさ。という考えが半分、いや、今年はこのまま産卵しないで終わってしまう。もともと数が多くなかったカエルのこと、メスがいなくなってしまったか?それとも気候変動に関わる自然界の異変か?とか。 たかがカエルの卵ひとつのことですが、なんだか毎日落ち着きません。今年は去年の秋から冬にかけての雨の多さや暖かさで、植物も早く芽を出しすぎて枯れてしまったり、やたらに早く花が咲いたり、花の数が少なかったり、ちょっといつもと違います。植物や動物は、今起きていることよりも原因が前年に起因することも多く、今年もいろいろなものが順調に育つスタートとは言えない感じがします。どうか今年の春、夏が順調で、去年の不調をとりもどしますように。 今年やって来た美しいルリビタキのオスに願いをかけたい気分です。彼らは冬の終わりに庭にやってくるのですが、たいてい1羽きりで年によっては尻尾が青いだけのメスや若鳥で、背中が青いきれいなオスが来ることはめずらしいのです。 そろそろふきのとうや早咲きのオオイヌノフグリ、つくしが待ち遠しいこのごろ、気を取り直して日溜りで探してみましょうか。